空き家になる前に。団地のリノベ相続を探る

マンション  /   エリア:兵庫県  /   掲載日:2026-08-28

マンション  /   エリア:兵庫県

掲載日:2026-08-28

いいね!と思ったら、
ハートをクリック! 30

renovation image

団地の高齢化や空き家問題は年々加速し、相続放棄も珍しくない。当物件は、二世代で一緒に実家のリノベを行うことにより、双方にとってストレスのない住み継ぎが叶うことを確信した一例である。

神戸の分譲団地で一人暮らしをする90歳のお母様。団地ならではの高齢者コミュニティの中でグラウンドゴルフやダーツなど毎日アクティブに過ごしているものの、2年前、関東で暮らす娘夫婦から「今の生活が続けられるよう部屋を住みやすくしては?」と提案され、リノベーションを決断。母娘ともに「終活」「実家じまい」を強く意識し、いずれは娘夫婦が移り住む想定で設計を進めながら、家財や持ち物は本当に必要なものだけに厳選、処分した。

とはいえ、最優先したのはお母様の暮らしやすさ。腰に負担がかかりにくい高さの水回りや小上がり、腰掛けて靴を脱ぎ履きする玄関収納、室内洗濯機置き場、フラットな床を実現。亡きご主人が見守る仏壇の配置や趣味の生花を飾る場所など、お母様からの要望にも応えた。当社からは、断熱・換気・配管更新を提案。冷暖房効率の向上と、温度差やカビによる健康負荷軽減を目指した。

「家が快適で心が明るくなった」とお母様。「ゆくゆくは娘がここに住むんやろな」と語る姿には安堵感も窺える。娘さんは「思い切って本当によかった」とスッキリ笑顔。当事者にも社会にも健やかな住まいの相続のあり方を実感することができた。

BEFORE


before image

当物件は25年前に水回りや壁紙などのリフォームを済ませており、お母様が一人暮らしになって以降は随時、玄関やトイレに手摺りを設置。ある程度は快適に暮らせていたが、結露により剥がれた壁紙や、ベランダの洗濯機置場の前にある大きな段差など、高齢者の一人暮らしには不安も多く、お母様が快適に暮らせることを念頭においた。

工事前にお二人が向き合ったのは、大量にあった持ち物をリノベ後の収納スペースに収まる分量に減らす作業。手放すと決めた物の処分や残す物の一時保管ついては、当社が信頼できる事業者を紹介し、ストレスなく進められた。

空き家問題の大きな原因は、家財や物の片付けと心の整理が進まないこと。階段しかない団地ではより顕著である。実家をリノベし、親は心残りなく余生を快適に送り、子が遺された家をスムーズに引き継ぐ。この価値を空き家問題の予防医療的アプローチとして提唱し、浸透させられないだろうか。

Before

After

    • 部門
    • 1000万円未満
    • 間取り
    • 1LDK
    • 費用
    • 985万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 性能向上リノベ 実施
  • <断熱性能>UA値:改修後0.82w/m2・K
  • <耐震性能>該当なし
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体 / 水まわり / 断熱改修
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1969年11月
    • 構造
    • RC造
    • リノベーション面積
    • 57.34
    • 施工期間
    • 2ヶ月
    • 備考
    • UA値
      改修前:1.56W/(m2・K)等級2
      改修後:0.82W/(m2・K)等級4
      BEI値:0.99
      光熱費30%down (実質値)

CREDIT


  • 設計・施工:株式会社フロッグハウス 
  • 担当:清水大介 笹倉みなみ
  • 文:村崎恭子 写真:藤田温
  • 生前整理:株式会社スリーマインド