







都会の景色に静かに馴染むモダンな佇まいに、抑制の効いたラグジュアリーを重ねた。
壁や天井には漆喰と珪藻土を用い、均一に仕上げるのではなく、あえて残した色ムラや鏝跡に間接照明の光を重ねることで、陰影に奥行きを与えた。
モノトーンを基調としながら、リブパネルや磨きタイルなど異なる質感を織り交ぜ、静けさの中にも豊かな表情をつくり出している。
空間構成は、施主の暮らしを丁寧に読み解きながら再構築。
十分な収納量と機能的な動線を確保しつつ、ダウンフロアリビングや天井埋込型の電動スクリーンを設け、日常そのものを愉しむ居場所へと整えた。
主寝室には漆喰では作れないマットブラックな表情の珪藻土を採用し、住まいの奥に施主らしい個性を忍ばせている。
完成された住まいに暮らしを合わせるのではなく、暮らしに合わせて空間をつくる。
素材、光、陰影を丁寧に重ねた「MONOCHROME」に、自分たちらしい時間が静かに息づく。
BEFORE
新築を購入することだけが、最善の選択なのだろうか。
新築マンションのモデルルームを巡るなかで感じたのは、整っている一方で、どこか均質化された住空間への違和感だった。
長い時間を過ごす場所だからこそ、住まいを暮らしに合わせたい。その想いから選んだのが、リノベーションという選択肢。
舞台は、福岡の中心地に建つ築8年のタワーマンション。
駅徒歩1分の利便性、ホテルライクな共用部、行き届いた管理環境を備え、そのままでも十分に完成された住まいだった。
だからこそ、既存の価値を活かしながら、自分たちの感性を重ねていく。
ミニマルな美しさを軸に、上質な素材とディテールでラグジュアリーな空気を纏わせ、収納や動線も暮らしに合わせて再構築する。
「新しい家を買う」のではなく、「自分たちのための住まいをつくる」。
そんなリノベーションを構想した。

