







このリノベーションは、「何をやらないか」から始まった。
リフォーム済みの中古マンションを選び、キッチン・浴室・ダウンライト・エアコンなど、まだ使えるものはすべて再利用。浮いたコストを、本当にやりたいことに集中させた。
やりたいことは、ノイズを消すこと。
コンセントやスイッチ、ドアハンドルなどの突起物を極限まで排除。梁や出隅、素材の切り替わりが生む線も、塗装で壁面と一体化させた。
廊下は一本。壁はフラット。その中に4つの扉を隠した。
そして、なくしたのは空間のノイズだけではない。
机上の空論より現場を何より優先し、作成した図面は解体後の平面図1枚。解体後の現実を見て、施主・設計・現場監督・職人が現場で考えながらつくった。
特別な予算はかけていない。
ノイズをなくした。家も、家づくりも。
BEFORE
中古マンション最上階。
高い天井、ロフト、トップライト。
ポテンシャルは明らかだった。
しかし実態はオーソドックスなリフォーム済み2LDK+ロフト。
設備は新しいが、空間設計に意思はなかった。
トップライトはキッチンの明かり取りに使われ、廊下からリビングには配管の床段差。
壁は細かく仕切られ、天井の高さが逆に「もったいなさ」を強調していた。

