







ウォーターフロントに建つオフィスビル1階貸室を、老人デイサービスにしました。
都心だって、お住まいの高齢者の方々からすれば住み慣れた「地域」であることに違いはありません。事業的な難しさを乗り越えつつ、使命感を持って都心で在宅サービスの介護保険事業を展開する事業者が、オフィスビル等の足元を狙い開設してきたデイサービスの内の一つです。
事業性を確保しつつ、通所介護事業所という場に相応しい「ホームライクな落ち着き」+「地域との連続感」を併せ持つ空間を、貸室区画内の内装工事だけで実現するために、幾つかの工夫をしています。例えば、
貸室中央はオフィス仕様のままにして(オフィス風天井も都心という地域性の一つと考える)、いわゆるB工事費を極力抑える、
垂壁をうまく使って、職員の視線を遮ることなく利用者の心理的な諸負担を軽減する、
壁仕上を上下分割することで、住宅のような低めのスケール感を醸し出す、
手の届く範囲の内装仕上は気兼ねなく使える機能材とする一方、上方は地域性を反映した少し特別な仕上にする等です。ここでは、ビル周辺のボードウォークの要素を再構成した、ロープを目地材とした板張りに挑戦しました。
しかし最大の魅力は、目前に広がる開放的な運河の光景です。
窓際にはカウンター席をたくさん設けました。
大変人気のデイサービスになっています。
BEFORE
対象貸室は、運河に面して建つ地上8階建てのオフィスビルの接地階です。
貸室自体は標準的なオフィス仕様でしたが、その窓からは、
鵜が泳ぎ屋形船が往来する運河、
空中を走るモノレール、
屹立する超高層ビル、
幻想的にライトアップされる橋など、
懐かしさと新しさが入り混じった、魅力的な風景が望めました。
この最高の条件を十分に生かす計画にしたいと考えました。

