住まい再考 ーマイプレイス,マイライフー

マンション  /   エリア:神奈川県  /   掲載日:2025-09-18

マンション  /   エリア:神奈川県

掲載日:2025-09-18

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AIの加速度的な普及とグローバル化により人々の生活がますます多様化する現代。世界的なパンデミックは、私たちに居住空間や働き方のみならず、内側への視点、生き方の本質をも問い直すきっかけとなった。しかし、身体性や輪郭をもたない世界がまた拡がりをみせている。そんな現代において、自分の居場所、心地の良い時間を持つことの大事さを改めて考えたいと思った。これは居住空間から考える、ミニマムな世界の豊かさを問う試みだ。舞台となるのは都市に無数に存在するありふれたワンルーム。想定した住み手は単身の30代。日々忙しく働く彼にとって家とはコックピットのようなもの。思う存分自分の世界に浸り、リチャージできる空間をつくる。部屋全体を青く染めた。ドアを開けると目に飛び込んでくるのはバルコニーの景色とブルーの空間。水まわりは玄関近くにまとめ機能的に。居場所となる生活空間はオープンクローゼットとワークデスクを備え、日常のさまざまなシーンに応える空間となった。ゆるやかに全体がつながり、生まれる一体感と心地よさ。朝、昼、そして夜。差し込む光で刻々と変化するブルーがこの部屋特有の時間をうむ。自分の世界に浸れる空間がある一方で、バルコニーからは山と町並みの景色が広がる。風を感じ、ゆったりと流れる時間に身を委ねる。内と外、行き来をしながら気分や時間で自分自身を調整し直す。自分だけの豊かな暮らしを堪能できる住まいが実現した。

BEFORE


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築33年のマンションの賃貸ワンルーム。18.22㎡に最小限の機能が詰め込まれ後付けの家具で空間が占拠されていた。お馴染みの3点ユニットが圧倒的な存在感を放ち、床の段差と梁型が空間に凸凹とした造形をうむ。キッチンと居室を隔てるドアに、狭さがいっそう強調されていた。それ以上でも以下でもない狭小賃貸住宅。唯一、眺めのいいバルコニーの存在がこの部屋の印象を特徴づけていた。このコンパクトさを「機能的」と読み替え少し手を加える。空間の質を大きく変えるリノベーションをしたいと思った。3点ユニットはそれぞれ分けて組み込む。段差をなくしドアを省いて生まれた空間の一体感と快適性。バルコニーまで抜ける視線。たかがワンルーム、されどワンルーム。量産されたミニマムな居住空間を「都市の資源」と考えたとき、ひと手間加えるコンパクトなリノベーションは、都市空間の豊かさと賃貸住宅の選択肢を拡げるひとつの解になり得るだろう。

Before

After

    • 部門
    • 800万円未満
    • 間取り
    • 1R
    • 費用
    • 250万円(税込)
    • 形態
    • 賃貸リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体 / 水まわり / 居室・その他
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1992年3月
    • 構造
    • 鉄筋コンクリート造
    • リノベーション面積
    • 18.22
    • 施工期間
    • 1ヵ月
    • 備考

CREDIT


  • 施主:株式会社WOOC 代表取締役 阪谷泰之
  • デザイン設計担当:益田郁乃
  • 施工管理担当:堀口雅人
  • 協力:よろずやとも/グッドフィニッシュ/佐野内装/エコリサイクル/トムクリーンサービス
  • 協力:株式会社美柳/小島電機工業株式会社/株式会社カメイ/株式会社たけでん