リノベーションの計画は、家族の成長を見据えた工夫に満ちていました。キッチンは壁付けにして、リビング・ダイニングとの一体感を演出。寝室は将来、主寝室と子供部屋に仕切れるよう設計。最大の特徴は秘密基地のようなロフトです。お子さんふたりのために設けられた空間は、今は仕切りを設けず、家全体の通気性を高める工夫がされています。
夜になると、寝室は家族の憩いの場に変わります。絵本を読んだり、絵を描いたり、ハンモックに揺られたり、トランポリンで遊んだり。アロマの香りに包まれ、大人は子どもたちがのびのびと過ごす姿を眺めながら「おやすみ」を迎える。家族それぞれが好きな場所で思い思いに過ごし、最後はひとつに戻る。そんな時間が、この住まいの温かな日常を育んでいます。
住まいに大満足のご家族ですが、心はすでに次のリノベーションへ。「家が資産になることを実感し、不動産の売却を経験して価値観が変わりました」と語ります。住まいは所有して終わるものではなく、家族の成長やライフスタイルに合わせて変化していくもの。足したり、引いたりしながら最適な形を探す、そのプロセスこそ暮らしを豊かにする。今日も「おはよう」「おやすみ」を愛おしみながら、家族だけの秘密基地では、未来の“次の住まい会議”が密かに開かれているのです。
BEFORE
川沿いにそびえるヴィンテージマンションに暮らすO様ご家族。メゾネット式の住まいは、マンションでありながら戸建て感覚で暮らせる点が魅力でした。敷地内には豊かな緑があふれ、徒歩圏内に駅や商業施設が揃う便利な立地。ご夫婦それぞれの通勤にも理想的な環境でした。これから家族が増えることを見据え、より広い間取りを求めて別棟の一室を購入。次なるリノベーションの構想として浮かんだのは「メゾネットの2Fにロフトを作りたい」という夢でした。LDKを1Fに、寝室を2Fに配置し、動と静を分けながら、家族がのびのびと暮らせる住まいを形にしようと考えたのです。