「お好きなお席にどうぞ」。凛とした空間に、淹れたてのコーヒーが静かに香ります。
「昔からカフェや喫茶店が好きで、“いつか自分のお店をもちたい”とずっと思っていたんです」。そう語る施主様は、おひとり暮らし。「自分でお店をもつならブックカフェもいいし、純喫茶も捨てがたい。方向性はまだ決められないけれど、いまは、“空想喫茶室”をこの家で楽しんでいます。遊びに来た友人たちが、『このお家、ついつい長居しちゃうね〜 何度も来たくなる！』とくつろいでくれてうれしい」と笑顔で語ります。

小さな「商い」と暮らしが密接した住まいはコロナ禍以降、見直されています。この事例は言うならば「おためし商い」。施主様が一番叶えたかったのは、広々としたキッチンで、「以前の賃貸では、まな板をどこに置こうか迷うくらい狭くて。このお家は“早く帰ってごはんを作りたい！”って思えるんです」。モールテックスのやさしい色味のキッチンと、お気に入りの家具や雑貨を集めたリビングダイニングはカフェのように仕上げました。
本当に喫茶室をすることになったら一番やりたいことは？と伺うと、「喫茶店のモーニングが好きなので、定番メニューを作ってみたいです。満月の日だけ夜まで営業してみるのも楽しそう！」。こんな風に、“空想喫茶室”は少しずつ現実に近づいています。