Y様が新たに選んだ住まいは川を一望できるメゾネットタイプのヴィンテージマンションでした。室内に階段があり、猫たちが上下を自由に駆け回れる構造は、まさに理想的な環境。長年親しんできた川の風景や周辺の散歩道が暮らしに溶け込み、人も猫も自然と心が安らぐ立地でした。
しかし、その室内は以前のリノベーションで天井・壁・床のすべてが濃いグレーのモルタルで覆われた重厚な空間。そこで、表面に白の塗装を重ねることで光を反射させ、明るく柔らかな空気感を取り戻す工夫を実施。1階はダイニングキッチン、2階はリビングと寝室といったメリハリあるゾーニングにより、生活導線も整えられました。さらに、2階にはキャットウォークを設置。猫ちゃんたちは上下運動を楽しめるようになり、ストレスによる粗相の問題も自然と解消されていきました。
また、Y様の願いは「帰宅した瞬間に猫たちと会いたい」という思いにも表れました。そこで、階段と玄関の間に窓を設ける提案を採用。扉を開けた瞬間、猫たちがトコトコと降りてきて出迎えてくれる姿を見ることができ、毎日の疲れを癒す特別なシーンが生まれました。こうして、人にとっても猫にとっても快適な距離感と居場所が確保された住まいが完成。そこには「一瞬も、一緒にいられる時間も大切にしたい」というY様の想いが結実しています。
BEFORE
Y様は大好きな猫と暮らす日々を送っていました。しかし、お仕事が多忙となり帰宅が遅れる日々が続くと、猫は淋しさとストレスから、トイレ以外の場所で粗相をしてしまうように。疲れて帰宅するY様にとって、それはさらに心をすり減らす出来事でした。そこで、猫のために仲間を迎え入れましたが、家族が増えたことで住まいは少し窮屈に。猫も人も心地よく過ごせる暮らしを求めて、住まいを見直す決意を固めます。条件は「川辺の環境であること」と「猫たちが自由に動き回れること」。幼いころから川のある風景に親しんできたY様にとって、自然と寄り添う暮らしは心の支えでもありました。愛猫たちが安心してのびのびと過ごせる空間、そして自分自身も安らげる住まいを叶えるため、物件探しとリノベーションが始まります。