長門湯本温泉エリアで新たな盛り上がりが生まれた一方で、「“長門湯本温泉と言えばそぞろ歩き”のイメージが定着していない」「温泉郷を回遊させる仕組みが少ない」「そぞろ歩きを楽しむためのコンテンツが足りていない」などの課題が存在した。
そこで誕生したのが「自然育」「食育」「湯育」の“3つの育”を楽しめる『SOIL Nagatoyumoto』である。
24の客室・サウナ・レストラン・アクティビティセンター等を備えた複合施設は「街のリビングルーム」として、施設の中で完結せず、長門湯本の街や自然環境、地域の人々とつながり、交流する機会をつくるように「間(あわい)」をテーマに設計した。
たとえば1Fのアクティビティセンターを拠点に、地元の林業士や農家などの生産者との交流を通じて、自然と共生する知恵を学ぶアクティビティを提供。また、「恩湯」をぜひ体験して欲しいという想いから、館内にはあえて温泉を用意せず、代わりに宿泊者や地元の人々が楽しめるサウナを設けるなど、地域との連携を大切にした。恩湯が源泉を男女で共有するように、サウナ室内は熱源を男女で共有している。
長門湯本にあふれる「育み」の泉源を活かした、センシュアスな街づくり。
あなたはこの街でどんな気持ちが湧き、何をうたうだろうか。
BEFORE
約600年の歴史をもつ、山口県最古の温泉街長門湯本温泉。長門市が2016年に「長門湯本温泉観光まちづくり計画」を策定以降、行政、金融機関、地元有志、外部専門家などが力を合わせ、新たな温泉街の魅力創出に向けて動き始めた。その結果、モダンな立ち寄り湯「恩湯」のリニューアル、まちの中心を流れる清流・音信川の”そぞろ歩き”をテーマとしたインフラの整備など、新しいまちの風景が生まれた。そんな温泉街の中心地に佇む老舗旅館「六角堂」において、Stapleは山口フィナンシャルグループと合弁会社を設立し、事業承継をしたのであった。