目指したのはLDKとクローゼットと洗面所のボーダーレスな関係性。ご夫婦のご要望は「1Fに大きなクローゼットを作りたい」でした。玄関からLDKへとつながる大きなウォークスルークローゼットは、まるで通りぬけられるアパレルショップ。おふたりの冬物、夏物の衣類すべてを集約でき、選ぶ時の実用性を重視して、お洋服は隠さず一覧できるように。
クローゼット内にミラーも設置しているため、靴も含めたコーディネートを考えることもできます。お風呂、洗面所、トイレ、キッチンの位置は再構築。洗面所は境界線なくLDKに面します。「常に家の中で会話をしていたい」との思いからキッチンは対面型を選択しました。さらに、お二人の心をくすぐったのは2Fのセカンドリビング。個室じゃないけれど、ちょっと気分を変えたいときに移動できる空間です。おやすみ前はここで、スマホゲームの大富豪をするのもおふたりのナイトルーティンの1つです。
床下、壁面と天井には断熱施工、既存の窓にはインナーサッシを設置し1年を通じて心地よい環境に。「毎日がわくわくしすぎています、歯みがきをしているときも、どこにどんな物を置こうか考えています」。と、にっこり笑顔の奥さま。「明日は何を着よう?」LDKを中心に、洗面所、クローゼットと空間を越えて交わされる言葉は、ふたりで選ぶ楽しさに満ち溢れた日々をつくります。
BEFORE
歯をみがきながら、明日の服を選ぶ――お洋服が大好きなご夫婦にとって、それは毎晩のささやかな楽しみです。オープンな洗面所の背後にはLDKとクローゼットがつながり、振り返れば衣類や小物が目に飛び込んでくる。自然と「今日はどんなコーディネートにしよう」と考えを巡らせる、クリエイティブなひとときになります。おふたりが求めたのは、この日常の習慣をもっと心地よく、もっと自由に楽しめる住まい。限られた区画に用途を閉じ込めるのではなく、洗面所・LDK・クローゼットが境界なくつながり、行き来しながら会話や発想が生まれる空間です。毎日のルーティンを豊かにするために、暮らしの導線や視界のつながりを徹底的に見直し、「おしゃれを楽しむ住まい」というテーマを住空間そのものに組み込みたい――そんな思いから、ご夫婦のリノベーションは動き出しました。