好きから暮らしを編集する、二度目の更新

マンション  /   エリア:愛知県  /   掲載日:2025-09-18

マンション  /   エリア:愛知県

掲載日:2025-09-18

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減額を“妥協”ではなく暮らしの再編集へ。キッチンはI型に造作カップボードを組み合わせ、Ⅱ型キッチンでの使い勝手をI型の“別解”として再構成しました。家事と家族の動きは回遊化し、買い物後の片付けまで一連の流れで完結させています。飾り棚・機器・箱のラインを揃えることで、背景がノイズなくつながるよう整えました。LDKには“飾る背景”を点在させ、オリジナルテーブルと照明計画でお気に入りが素直に映える場を形成してます。バルコニー寄りにはインナーバルコニーのような植栽の居場所を設け、光と手入れの導線を日常化しています。寝室はリビング奥に配し、壁はあえて天井まで立てず、風の抜けと視線の抜けを確保。キッチン床の段差は配管の為の段差であったが、ゆるいゾーニングとして働き、場面が穏やかに切り替わります。さらに、キッチンに立ったときの視線の通りと奥のアクセントクロスの見え方を設計に織り込み、前住まいでの実地ヒアリングを行いお客様の自前のインテリアを取り込むのを前提にインテリアを組み合わせていくことで大胆な配色にも可能としました。洗面や玄関は造作と素材を絞り、照明のシリーズを通して空間の連続性を担保。床の段差納まりを壁芯で統一するなどディテールを徹底し、背景の連続性と一体感を確保しました。限られた予算の中、「好き」を起点に以前の住まいより自然体で使いやすい、こだわりの佇まいへと更新しました。

BEFORE


before image

二度目のリノベゆえに“前より良く”への意識が高く、Ⅱ型キッチンや高グレード設備、造作やタイルなどの価格が上がっていく要望が早期に積み上がりました。既存を生かす減額案は、当初“ただ削られる”印象となり、打合せは停滞。「楽しくない」という率直な声を契機に、現住まいを訪ねて持ち物と所作、飾りの置き方や動線の滞りをひとつひとつ紐解きました。
見えてきたのは、キッチンまわりでダイニングへの配膳がしづらいこと、お気に入りの植物は部屋の隅に追いやられがちで、絵も含め“見せたいもの”が点在して視線が分散していたという実態。そこで、それらをまとめて“背景”として立ち上げる編集に着手しました。減額案と代替案を常にセットに、気持ちごと納得できる再提案へと方針転換。単なるコスト調整ではなく、優先順位の再編集で“好き”を核に据え直し、限られた条件下でも以前の住まいを超えるかたちへ向けて進みました。

Before

After

    • 部門
    • 1500万円未満
    • 間取り
    • 4LDK+WIC
    • 費用
    • 1217万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体 / 水まわり / 居室・その他
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)
  • 照明器具、インテリア

物件情報


    • 築年月
    • 1988年2月
    • 構造
    • リノベーション面積
    • 92.00
    • 施工期間
    • 3か月
    • 備考

CREDIT


  • 株式会社sumarch リノベーションスタジオKULABO
  • 担当 原佑帆 林果凜 川合弘悟