yu en ~街と接続するリノベーション~

その他  /   エリア:大阪府  /   掲載日:2025-09-10

その他  /   エリア:大阪府

掲載日:2025-09-10

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なんでも激しく消費される世の中で、改めて重視されるのは「長く受け継がれるもの」だと考える。
同じものが二つとない手仕事には、作り手の思いや時間、技術の蓄積が込められ、その背景にはストーリーがある。時間とともに価値が深まり、記憶に残るものこそ暮らしを豊かにしていく。こうした考えを空間づくりで体現したのが、ギャラリー「yu en」を併設したハコリノベのオフィスだ。
1階はギャラリー兼ショールーム、2階は必要十分な機能を備えたオフィス、3階は住空間を意識したショールーム兼打合せスペースとして構成。生木をそのまま使用した丸太スツールや、福祉作業所がハンドクラフトでつくる再生紙をショップカードに採用。土間の「洗い出し」やカウンターに施された「研ぎ出し」といった伝統的な職人技も取り入れた。一つ一つにこだわりや物語があり、ここで日々過ごすスタッフが愛着を持ち、つい誰かに話したくなるようなオフィスを目指した。
コロナ禍以降、顔を合わせるコミュニティの価値が再認識される中で、集える場所の必要性は高まっている。ギャラリーでは触れる・香るといったデジタルでは代替できない体験を通して、経年変化の美や持続可能な価値観を提案。展示やワークショップを通じ、人々が気軽に集い「暮らし」を共通項に交流できる場となった。
街と人、暮らしと空間をつなぐ拠点として、多様な価値観を受け止める場所であり続ける。

BEFORE


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オフィス移転のため物件を探し続けていたある日、ビジネス街には珍しく建物の奥に庭があり、人々が集うイメージが思い浮かぶ。そんな築50年の長屋のようなビルに出会い、ギャラリーを併設した自社オフィスを設けた。
物件は間口が狭く奥行きが長い、昔ながらの住まいのような構造で、建物奥にある庭をどう活かすかが課題だった。デザイン監修には建築家・石川素樹氏を迎え、狭小かつ低層の長屋ビルの特徴を逆手に取り、階ごとに異なる性格をもたせる構成に。
1階にはシンボリックなロングテーブルを配した。内外を貫くテーブルは可動式とし、展示や打合せに応じてレイアウト変更が可能で、隠し扉を引けば個室も出現する。さらに、テーブルに沿って設けたライン照明が奥行きを際立たせ、通りから庭まで視線と動線が抜けるトンネルのような印象をつくり出した。庭は日本の石庭を意識して設計し、通りを歩く人の目にも映る。

Before

After

    • 部門
    • 無差別級
    • 間取り
    • 3階建てビル
    • 費用
    • 2050万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体 / 水まわり / 居室・その他 / 屋外 / その他
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


CREDIT


  • 株式会社サンリフォーム ハコリノベ事業部
  • 設計担当:財津友里
  • 施工担当:北上淳悟
  • 監修:石川素樹建築設計事務所