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開かれた場所も、こもれる居場所も。
そのあいだにある、やわらかなつながりを大切にしました。
家族3人が心地よく暮らせる空間を作り上げるため、
お客様からは「くつろげる小上がり」や「特別感のある素材」
「写真や本を飾れる場所」と「すっきりと片付く収納」という要望をいただきました。
リビングの一角に設けた小上がりは、ゆるやかにこもれる居場所。
その床下にはたっぷりと収納を仕込み、気配を見せずに機能を持たせています。
また、寝室には回遊性のある広々としたWTC、廊下には有孔ボードを設け、写真や本を飾る“見せる収納”もプラスしました。
空間の主役でもある既存の梁を活かして設えた大きな蒲鉾型のアーチは、
部屋と部屋のあいだにやわらかな境界をつくり、
視線や気配が自然に行き交う、空間のリズムを生み出しています。
日々の暮らしに必要なものと、大切にしたいもの。
それぞれが、ちょうどいい距離で共存しています。
住まいの中に、小さな工夫をいくつも潜ませ、
家族の時間がほどよく交わり、やさしくひろがる空間となりました。
BEFORE
1984年築(築41年)の両面バルコニー付き3LDK。居室は洋室2室と和室1室で、それぞれ独立。水まわりは北側にまとまり、キッチンは壁付けでやや閉鎖的。間取りは細かく仕切られ、開放感や可変性は控えめな印象だった。

