GOJŌ — 畳店からはじまる、5帖の未来

その他  /   エリア:福岡県  /   掲載日:2025-09-18

その他  /   エリア:福岡県

掲載日:2025-09-18

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かつて商店街の一角で営まれていた畳店は、時代とともに役割を終え、今ではおばあちゃんが一人暮らしを続けるのみとなっていた。道路に面した土間は畳店のなごり、奥には住まいという旧来の造りであったこの店舗付き住宅を「GOJŌ(5帖)」という名の5区画の複合拠点として再編集した。この街で生まれ育ち、日本と世界で修業しベルギーの公邸料理人も務めた料理人がこの街に舞い戻り、「日本料理とかく」がその第1店舗目として幕開けを飾った。既存の小屋組や梁を丁寧に現し、建具や素材を再利用しながら空間を組み替え、畳文化の面影を空間の骨格として継承した。生活の痕跡を取り払うのではなく、地域の時間を受け継ぐ要素として活かした上で、経年変化という記憶を残す木製カウンターや照明、什器を最小限に挿入し、かつての暮らしと新しい営みが交差する場とした。おばあちゃんが一人で暮らしていた静かな家は、今や世界と地域をつなぐ食文化の舞台となった。2店舗目、3店舗目のプロジェクトも動き出した。壊さずに残しながら未来の営みを受け入れるこの取り組みは、地域資産の循環的再生として、新しい文化の種を育みはじめている。

BEFORE


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かつて商店街の一角で営まれていた畳店は、時代とともに役割を終え、今ではおばあちゃんが一人暮らしを続けるのみとなっていた。畳や障子、ちゃぶ台が残る昭和の暮らしの風景は、老朽化や寒さ、使い勝手の悪さが目立ち、このままでは空き家となり地域から忘れられてしまう運命にあった。しかし、畳という日本の生活文化の象徴が宿るこの空間を、単に取り壊すのではなく、未来につながる新しい文化の器として再生することを選んだ。失われゆく暮らしの記憶を継ぎながら、次世代の営みを受け入れる場を構想した。

Before

After

    • 部門
    • 無差別級
    • 間取り
    • 5区画
    • 費用
    • 4000万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


CREDIT


  • 施主:alsos株式会社
  • プロデュース&リーシング:株式会社ヨンダブルディー 橋口敏一 許山浩平
  • 建築設計/監理:株式会社タムタムデザイン 田村晟一朗
  • 内装設計/監理:株式会社タムタムデザイン 田村富子
  • 施工:株式会社JIJI 代表取締役 坂神修三