プライバシーの名のもとにゲーテッドになやすい福祉事業の環境をソフトを含めていかに街の日常にOPENにひらき、介護を受ける利用者の日常が、他の生活者と共有する歓びと愉しみに置き換わるか。
R∞Pをめぐるデザインテーマは『Eco Tone / 日常的に多様な人が出入りする結節点』と『Hello！New / 訪れる歓びと愉しみ』。
日々通うデイサービス事業を、利用者が新鮮な出会いに遭遇できる場にする試みとして、機能訓練室がデイの営業終了後にキッズが集うダンススタジオに早変わり。シェアスペースで「帰りを待つ高齢者となだれ込んでくる子どもがハイタッチ」なんてことも日常茶飯事。本格的な稼働に至っていませんが、シェアキッチンは子育てでやむなくキャリアを止めた鶴見のママ達の「やってみたい」を応援しつつも、利用者は日々変わるランチを愉しめる場になる予定です。シェアスペースは地元住民がカフェや自習室代わりに利用可能。浴室・トイレは、介護クリエイター横木淳平さんが提唱する自立・自律を促すための本質的な介護理論「介護3.0」を取り入れ、身体が不自由でも極力自立して使える仕様です。
介護保険ができて25年。身近にあるのに必要な人以外はまだまだ縁遠い介護事業。介護をより身近に感じてほしい。介護の舞台でも”多世代の繋がり”が当たり前に生まれる近未来を夢みて、R∞Pでは日々のチャレンジが続きます。
BEFORE
“街をリハビリテーションする“を事業コンセプトに介護事業を展開するfamilinkによるデイサービスを軸とした複合施設。
コロナ禍を通して、介護事業が社会で担うべき役割、会社としてのビジョンが大きく変化。「人と人とのつながり・交流をもとに、支え合える街になれば、子どもも大人も高齢者もやりたいことにチャレンジできる街になる」と思い描き、既存事業を軸としつつ、時間帯を分けたキッズダンススタジオ、シェアスペース・シェアキッチンを設置し、サービス利用者以外も通える【多世代交流型“介護福祉”拠点】を開業しました。
舞台は大阪市鶴見区横堤の商店街の旧スーパーだった店舗跡地。検査済証はあるものの図面がなく、用途変更は現行建物の適法性を対象部分以外の全フロアをまたにかけて証明して実現。賃借前に採光基準などの厳しい必須要件を満たす改修条件を所有者と協議し、不適格部分の遵法化を含め改修を実施しました。
