小さな隠れ家で“ととのう”暮らし

戸建  /   エリア:東京都  /   掲載日:2025-09-12

戸建  /   エリア:東京都

掲載日:2025-09-12

いいね!と思ったら、
ハートをクリック! 117

renovation image

約37年前、両親が建てた二世帯住宅には「小さな隠れ家」という遊び心が込められていた。建築家が手掛けたその住まいは、落ち着いた外観ながら、ひと目見ただけで凝ったつくりだと分かる。母屋には今も母が暮らし、祖父も過ごした空間は、家族の時間を重ねながら世代をつなぐ存在となっている。その一角を住み継ぎ、リノベーションを計画したのは、在宅勤務でほとんどの時間を自宅で過ごす息子のK様ご夫妻。新居に求めたのは「それぞれの仕事部屋を確保する」こと、そして「体と心をととのえる癒しの空間」だった。今回のリノベーションではかつてのデザインコンセプトを受け継ぎながら、ご夫妻のご要望に合わせて空間の使い方を柔軟に見直し、間取りは大胆に刷新。最大の見どころは、長年の夢であった「自宅サウナ」の実現である。サニタリールームスタイルだった水まわりを整え、サウナ付き浴室からは中庭のデッキへ。さらに水風呂へとつながる動線が「好きなときに好きなだけ "ととのう"」プライスレスな時間をもたらした。木目の天井ルーバーや階段、梁は既存のまま残し、時を重ねた素材が新しい暮らしに癒しを添えている。外出しなければ楽しめなかった時間が、今はこの家の中にある。世代を越えてさまざまな思いが重なり合い、日常が豊かに膨らんでいく。家の中にいる時間がいちばん充実しているということほど、幸せなことはない。

BEFORE


before image

中庭を介してふたつの住居がつながる完全分離型の二世帯住宅。母屋には母が暮らし、もう一方の住まいを祖父から受け継いだ。築37年を経て老朽化が進み、建物の寒さや断熱性能の不足は、快適性の面で大きな課題となっていた。特に冬の冷え込みは強く、長く過ごすには厳しい環境だった。そんななかで在宅勤務が中心となった息子夫妻は、この住まいを新居として受け継ぐことを決意。既存の空間が持つ個性的なデザインや「小さな隠れ家」というコンセプトは残しつつ、快適で有意義な暮らしを叶えるためのリノベーションを計画した。なかでもサウナから水風呂までの動線は、息子のゆずれないこだわりポイントであり、これからの住まいづくりにおいて重要なテーマとなった。

Before

After

    • 部門
    • 1500万円以上
    • 間取り
    • 2LDK+サウナ
    • 費用
    • 4100万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 性能向上リノベ 実施
  • <断熱性能>UA値0.6に大幅にアップ
  • <耐震性能>評点0.32→1.14
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体 / 水まわり / 居室・その他 / 屋外 / 耐震補強 / 断熱改修
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)
  • サウナ設備関係

物件情報


    • 築年月
    • 1988年6月
    • 構造
    • 木造在来工法
    • リノベーション面積
    • 77.00
    • 施工期間
    • 5ヵ月
    • 備考

CREDIT


  • 設計 株式会社スタイル工房 営業/設計部 チーフプランナー 渡辺ノリエ
  • 設計 株式会社スタイル工房 営業/設計部 プランナー 五十嵐和美
  • 施工 株式会社スタイル工房 工事部 歌田桂一