この案件は当社のモデルルームである。
今回モデルルーム作成にあたり、ペルソナについて考えた。架空の顧客モデルを作る従来の手法が現代のマーケティングに適しているか疑問を抱き、過去1年のご要望を集計し、家族構成や年齢などの実データを基にマーケティングとデザインを直結させた現場感あるモデルを作った。
各個室は必要最小限に抑え、リビングやパントリー、ファミリークロゼットなど共用空間を充実させる。主要動線はキッチン→洗面（洗濯）→ファミリークロゼットとし短縮化、クロゼット内にビルトイン型ガス乾燥機と上部アイロン台を設けた。ガス乾燥機はマンション設置が難しいが当社は昨年度より施工に取り組んでいる。共働き世帯を想定し洗面と脱衣を分離し動線の交差を避けた。キッチンは壁付けとし背面腰壁上部をガラス張りにして音漏れと閉塞感を解消。家電は極力見せず冷蔵庫はパントリーに収め、エアコンは造作収納で隠している。素材は北海道産楢材のフローリングと単板造作で統一し、壁はローラー塗り可能な国産漆喰の新商品を採用、施工感や仕上がり確認のため全スタッフで施工を行った。
断熱改修によりUA値0.32、BEI値1を達成し第三者評価BELSを取得した。
このモデルは私たちの姿勢を形にしたもので、マンションでもここまでできる暮らしの器と考える。
BEFORE
新築時より一度もリフォームがなされていない、築36年3LDKのマンション。
現地調査に赴いた際に、大梁が洗面室と洋室にかかり部屋を分断していてた。また廊下やキッチン、和室にも梁がかかり住戸全体の天井に凹凸が多くあった。
プランニングは極力生活空間に梁が下がらない様ノイズレスな空間なるよう検討が必要だった。
洗面室の床が一段上がっていたので、なるべくフラットにできるよう排水経路の検討も必要だった。
