賢く紡いだ都市の家

マンション  /   エリア:東京都  /   掲載日:2025-09-07

マンション  /   エリア:東京都

掲載日:2025-09-07

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都心部の開発が進むことで、住まいは採光や景観を失うだけでなく、不動産価格や物価高騰により家計の負担も増している。本プロジェクトの施主も例外ではなく、目前に建設されたマンションにより光を失い、新しい住まいを探し始めた。
愛着ある街で、古いものを大切にしながら暮らし続けたいと願う施主家族。以前の住まいでは動線を阻む建具を全て外して生活していた。

限られた予算の中で計画したのは、「不必要なものを削ぎ落とした住まい」。
不要な間仕切り壁や建具、天井造作をしないゼロ空間。住宅設備を既存利用するため水まわりを含む大半の二重床を残し、配線のために必要なクローゼット周辺の床のみを改修することで大幅な減額に貢献した。
壁は手持ちの家具と調和する淡いグレー塗装を施す。梁や天井の墨文字やボンド跡は敢えて残しオイル仕上げに。残すものと直すものを編み合わせ、新たな暮らしを紡いだ。

都市部での価格高騰に、経済性と快適性を両立しながら施主の価値観を映し出した本計画は、都市型ファミリーに新しい住まいの選択肢を提示している。さらに、必要以上に壊さず活かすという姿勢は環境負荷を抑え、資源循環にも寄与する点で社会的意義も大きい。持続可能で無理のない住まい方を示すプロジェクトとなった。

BEFORE


before image

都心なのに田舎のよう。と施主が言う街に建つ築45年の中古マンション。3人家族が住まうには十分な広さだが、3DKに細分化され施主にとっては窮屈な間取りだった。過去のリフォームにより住宅設備は不都合なく機能したため既存利用することに。キッチンは二重床を残すことで設備の安定性を確保しつつ、必要な箇所のみの改修とした。引っ越しのきっかけとなった彩光・景観不良を解消しつつ、自由に回遊できる間取りで、朝は太陽の光で目を覚ましたい。という希望に応えるプランニングが求められた。

Before

After

    • 部門
    • 800万円未満
    • 間取り
    • 1R
    • 費用
    • 780万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 居室・その他
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)
  • キッチン、レンジフード、洗面台、ユニットバス、トイレ

物件情報


    • 築年月
    • 1979年3月
    • 構造
    • RC
    • リノベーション面積
    • 53.48㎡
    • 施工期間
    • 3ヶ月
    • 備考

CREDIT


  • 株式会社groove agent 設計:白井 沙弥、服部 有香