ご実家の離れを、娘さまご家族の新たな住まいとして活用するため、リノベーションのご相談をいただきました。もともとはご祖母様がお住まいだった離れに、新しい家族が快適に暮らせるよう、現代のライフスタイルに合わせた改修を計画しました。今回のリノベーションでは、間取りの見直しに加え、キッチンや洗面といった水まわり設備の一新、内装の全面改修、外壁の漆喰塗り替えを実施。さらに、窓や玄関ドアの交換を行い、断熱・耐震性能の向上も図っています。母屋と離れは廊下でつながっており、浴室は母屋を共有する計画としました。ご家族がゆったりと団らんできる空間を目指し、将来的に2部屋に仕切れる洋室を設け、リビングにはロフトを配置。LDKはキッチンを中心としたレイアウトで、自然と家族が集うあたたかな空間に。さらに離れに専用玄関を新設することで、お互いに気兼ねせず程よい距離感を保ちつつ、母屋とのつながりを大切にした住まいが完成しました。
BEFORE
築50年を迎えた東広島市の離れは、外観上は階高が高く見えるものの、実際は平屋建てで、丸太梁の上部に大きな小屋裏空間を備えながらも、点検口や固定階段はなく、長らく未利用のままでした。内部は真壁構造に土壁が用いられ、断熱性能は不十分で、床下も当時の仕様のまま湿気や劣化の影響を受けやすい環境でした。母屋と廊下で接続されているため、水まわりは母屋に依存しており、離れ単独での生活機能は限定的。今回の改修では、この小屋裏の懐を活かし、和室の天井を抜いてロフトを設けるなど、既存の弱点を住まいの新たな価値へと転換する計画としました。
