異彩と異才

マンション  /   エリア:東京都  /   掲載日:2025-09-03   R mark

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漫画家である施主に、設計者が手渡した1枚の「挑戦状」。ここから、家づくりという締切のない創作活動が始まる。

「インテリアを楽しむための空間」を求めた施主。施主がまとうセンスを最大限に活かすため、漫画の変形ゴマになぞらえ、あえて不整形な部屋の形となるプランを提案した。従来の四角い部屋の形を脱却し、家具配置が定型化されない間取りだ。

十分な広さが自由度を担保しつつ、不整形な空間が施主の創意を掻き立てる。書斎はリビングでも玄関土間でもいい。白とグレーの空間はまっさらな原稿だ。インクを重ねるように、カラフルな家具を配色する。鮮やかなピンクの寝室やタイルのカラー目地などの遊び心も忘れない。全身鏡を備えたオープンクローゼットは、衣服をインテリアの一部として捉える施主のセンスで彩られている。
三連アーチには施主の寝室と爬虫類、愛犬の居場所を配した。飼い主が最も小さな入口の部屋を使うという逆転の発想が、暮らしにユーモアを与える。

空間、色彩。自己の多面性と向き合い、変化を軽やかに楽しむ施主の姿は、不確実性を生きる我々の、幸福のあり方を示しているようにも見える。施主は、引渡し後の住まいを「自己肯定感が爆上がりするパワースポット」と表現し、日々アップデートしている。
終わりのない家づくりという「挑戦状」。それは、日々締切に追われる漫画家に許された、最高の愉悦なのである。

BEFORE


before image

職場のある都心へのアクセスと、ペット可の条件から選ばれた郊外の物件。単身には少々広すぎる懸念があったため、敢えて動きをつけた間取りに変更し、「楽しめる余白」を生み出した。当初予算よりも価格を抑えた住宅購入、また、建具を最小限にした工事で設計費用の減額を実現。抑えた予算を家具購入費に充て、総合的に満足度の高いプロジェクトとなった。

Before

After

    • 部門
    • 1500万円未満
    • 間取り
    • 1R
    • 費用
    • 1436万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)
  • 照明器具

物件情報


    • 築年月
    • 1994年2月
    • 構造
    • SRC
    • リノベーション面積
    • 76.68㎡
    • 施工期間
    • 3ヶ月
    • 備考

CREDIT


  • 株式会社groove agent 設計:野田歩夢