目指したテーマは、広々としたLDKのあるモダンな住まい。和室をなくしてリビングを大きく広げ、下がり天井と間接照明を採用することで空間にメリハリを与え、より広がりを感じさせる。クールなテイストにするため、自然素材はあえて使っていない。
リビングドアは天井までのガラスハイドアを採用し、視線の抜けを生かして奥行きを演出。訪れる人から褒められることも多く、施主のお気に入りでもある。キッチンはワイドな作業台に加え、椅子を置けばカウンターとしても活用可能。造作カップボードにはワインセラーや電子レンジを組み込み、冷蔵庫はパントリーに収めて生活感を隠した。
施主は「小物ひとつ購入するにも吟味し、全体のかっこよさを保つよう心がけています。毎朝リビングで日の光を浴びる時間は格別で、帰宅後の入浴も快適です」と語る。クリスマスや正月にお子さんやお孫さんを招き、飾り付けやホームパーティーを楽しむことを心待ちにしている。
BEFORE
約20年住み続けた自宅をリノベーションされたご夫妻。お子さんが独立され、夫婦2人での暮らしが始まる時期に差しかかり、お風呂などの老朽化が目立つようになっていた。当初は売却と引越しも検討したが、条件に合う物件が見つからず、愛着ある自宅をリノベーションして暮らしを整える決断をした。
マンションは管理規約が厳しく、高水準の遮音規定をクリアする必要があった。既存のネダフォームを残しつつ、吸音材を敷き詰めて床下地を組み、細部まで行き届いた施工が求められた。部分的な解体や既存部分の有効活用、補修作業などには、職人の技術と努力が詰まっている。