北九州市に海外から連日多数のお客様が訪れる世界的に有名なお寿司屋さんがある。創業当時から先代の代までは地域のどこの町でもある町の寿司屋でした。三代目の大将の代からは高級寿司店にシフトチェンジし独自のパフォーマンスと地元の新鮮な魚と素材を軸にとても美味しい寿司で、SNS総フォロワー数100万人を超える程の「世界一有名な寿司屋」とまで言われるようになった。しかし既存店のままでは劇場のような演出に物足りなさがあり、感動に今一つ欠ける部分は否めない。より完成形に近づけるには新しいステージに変える必要がある事が今回のプロジェクトのきっかけである。入口のアプローチは長めに設け、茶室の露地を彷彿とさせる通路を作り照明をグッと抑えめにして ワクワク感と期待感を高める空間を作った。ドアを開けると目の前には存在感ある寿司カウンターのステージと大将が待ち構えるのだ。従来の寿司店の和風作りの空間とは180度イメージを変えた黒主体の空間。空間のマテリアルは突板や無垢材、岐阜県土岐市で作ったタイルや土壁など日本産の素材をふんだんに採用。一番のこだわりの円形カウンターは大将のパフォーマンスがどの席からでも見えるよう工夫した。“劇場型エンターティメント寿司”寿司オペラを五感すべてで体感出来る新しいステージである。このように従来にない空間を実現し、より価値を生み出すことが真のリノベーションではないだろうか。
BEFORE
創業60年続く創業当時から先代の代までは地域のどこの町でもある町の寿司屋でした。
照寿司は2Fに寿司カウンターと座敷席。
3Fに会社の忘年会や新年会などで利用される大広間の座敷席でした。
その3F部分を今回大幅にリノベーションした。