多様性を求められる今「曖昧」「中間領域」は重要な定義になるのではないか?
現代の生活では、固定された役割や機能を持つ空間だけでなく、柔軟に変化し、さまざまな用途に対応できる空間が求められています。このリノベーションは、「曖昧な中間領域」を取り入れることで、無限の可能性を秘めた空間を実現しました。
無駄を極限までそぎ落とし、シンプルで機能的な仕上げに。
照明も施主自身で取り付け、棚も生活に合わせて作り上げることで、引き渡し時点で完成ではなく、成長させる余地を残しています。
物理的な仕切りを設けず一体感のある空間を作り、素材や色味の使い分けでゾーンが自然と分かれるように工夫しています。木床部分はお母様のスペース、LDK空間は日常はお母様用ですが、子供たちが来た時には解放されます。壁面には桧の合板を使用し、無塗装で経年変化を楽しめるようにしました。この経年変化は、新しい時間をこの空間で共に過ごし、年を重ねることをイメージしています。
時の変化にも対応できる可能性を残していく。そこにはお決まりの間取りは不要だと感じた。
空間そのものが「曖昧に」成長し続けることを意識し、余計な装飾を排除。シンプルで美しいラインを保つ工夫を施しました。空間全体が統一感を持ちながらも、洗練さや澄んだ空気を感じさせるデザインとなっています。
BEFORE
40年以上家族と共に過ごしてきた深い思い出の場所。。。
施主である高齢のお母様はお一人で生活をされており、子供たちは定期的に訪問してお母さまとの時間を過ごしています。
今回のリノベーションでは、3LDKの間取りから1ROOMへの変更を検討。
段差がある古い3LDKは高齢のお母様にとって生活の中で不便を感じる部分が多かった。
広々とした一体感のある空間を作ることで、お母様が安心して快適に過ごせる環境を整え、開放感あふれる居住空間を計画。
時折家族が集まる際には、みんながリラックスしてに一緒に時間を過ごす場所となるように、柔軟で多機能なレイアウトができるよう検討しています
お母様のこれからの生活がさらに豊かになり、安心して暮らせるだけでなく、家族とともに新たな思い出を育む場として、このマンションが再び活用されることを目指しました