リノベーションは断捨離の連続だ。
工事を始めるにあたって、まずは、住まいをどこまでリノベーションするかという、工事の断捨離。
築26年のため、まだまだ暮らせる住まいだったことと、普段はリビングにいることが多いことから、リビング部分のみを工事範囲とした。
次に、すっきりとした空間を目指すための、収納家具(物)の断捨離。
最小限の物を収納するため、空間にノイズを減らすために、壁面にテレビボードやリビング廻りの小物を収納できるようにした。
また、自分たちが好きなテイストも、断捨離。
リノベーションのよくあるイメージであるナチュラル系、さらにミニマリストのイメージであるモノトーン系があてはまらず、一番好きな色であるブルーグリーンで全面を統一をすることにした。
更に、前の住まいは明るすぎたということから、照明器具の数を調整し、明るさの断捨離もした。
そして、開放感を出すため、天井の一部を解体し建物の一部をも、断捨離。
現れた2×4の躯体が凹凸のリズムとなり、スッキリとした空間のスパイスとなった。
そんな断捨離の連続により、できあがった空間は心地よさの他に、非日常さからの少しの緊張感で、「片付けをする」というサイクルを生み出した。
物価高が叫ばれる昨今、本当に好きなこと・必要な物を選別する暮らしの断捨離は一層必要になる気がする。
BEFORE
愛知県郊外にある築26年の戸建て住宅。リノベーションのきっかけはキッチン老朽化のほかに、暮らしや物の変化、インテリアの好みの変化があった。以前はアンティークなものを集め、ナチュラルテイストをベースに海外インテリアのようなカラフルなテイストが好きだったが、一転し、物も少なくスッキリとしたミニマリストのような住まいができるようになればということで依頼をいただいた。