「和室」のような、とことん床に近い暮らし

マンション  /   エリア:東京都  /   掲載日:2024-09-19

マンション  /   エリア:東京都

掲載日:2024-09-19

いいね!と思ったら、
ハートをクリック! 802

renovation image

日本人なら誰もが知っている「和室」の快適さ。現代の住宅であれば部屋の1室を畳敷きにしたり、小上がりをつくるのが定番ですが、スペースの問題やインテリアのテイストが合わないなど取り入れるのが難しい面も。思い切って水回り以外を全てカーペットにし、家具の高さも低く合わせることで「床に近い暮らし」を実現しました。

プランはキッチンとサニタリーを中心に全体がゆるやかにつながる回廊型でプライベートな場所をつくったり、あえて段差をつくったりと変化を持たせています。リビングに集まって団らんしたり、それぞれ好きな場所を見つけて自分の時間を過ごしたり。廊下のスペースも工夫次第でフレキシブルに使うことができます。手入れのしやすいウールカーペットは古いマンションでも冬に冷たさを感じにくく、子供が少々走っても叱らずにすみます。

テーブルは65cmと標準より約5cm低く、床に座った人とも目線が合う高さに。家具をあまり置かない代わりに食事・仕事・勉強・団らん・おもてなしのどんな用途にも対応できるデザインにしました。(充電もできる家具コンセント付き!)。ソファの座面も25cmと低めで、カーペットの延長でごろんと寝そべることができます。目線が下がるので、天井も高く感じられます。

いわゆる「和室」ではないけれど、古くから床座を続けてきた日本人に馴染む「床に近い暮らし」の回答の1つになればと思います。

BEFORE


before image

世田谷区の緑に囲まれた住宅街に囲まれたエリア。築47年の鉄筋コンクリート造のマンション2階の1室。窓の向こうに広がる公園の緑がとても魅力的な一方で、約60m2と4人家族が住むには少し小さめ。竣工図を見ると床スラブの厚さは12.5cmしかなく、マンション規約による制限はありませんでしたが、小さな子供もいるので騒音対策は必須でした。クッション材付きのフローリングにするか、天井高さを犠牲にして二重床にするか悩む中で出てきたのが、カーペットという選択肢。壁構造のため中途半端な位置に躯体があったのも課題でしたが、それを生かしつつ部屋をゆるやかに区切ることで、どの部屋からも緑を感じることができる抜け感のあるプランにしました。洗面と脱衣室が一体だったのをそれぞれ独立させ、忙しい朝の準備や家事動線にゆとりを持たせた点もポイントです。

Before

After

    • 部門
    • 1500万円未満
    • 間取り
    • ワンルーム
    • 費用
    • 1050万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体 / 水まわり / 居室・その他 / 断熱改修
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1977年3月
    • 構造
    • 壁式RC構造
    • リノベーション面積
    • 61.88
    • 施工期間
    • 2.5ヶ月
    • 備考

CREDIT


  • 設計 株式会社オリーブデザイン一級建築士事務所 織田ゆりか
  • 施工 株式会社NENGO
  • 写真 AKIRA NAKAMURA