リノベーション物件を初めて体験した時の大きな衝撃。
リノベーションの魅力を知る人々ならば、きっと誰しも経験があるはず。
10年以上前、お施主様は初めての住宅購入に新築マンションを検討中、偶然見つけたリノベーション物件から大きな衝撃を受けました。初体験にしてその後もお施主様を魅了し続けたのは、共有部を含めて一棟まるごとリノベーションされたマンションのモデルルームでした。オリジナリティある間取りや仕上げは、お施主様にとって「何ここ!?」の連続。設計した建築家がその部屋のために選定した家具と併せてモデルルームを購入し、実際に住んでみて、暮らしやすさにも驚いたそうです。
間取り、収納、仕上げ材のひとつひとつが、当時のお施主様ご家族にぴったりとはまりましたが、転勤のご都合で泣く泣く売却することに。
その心地よさと衝撃を引き継ぎ、アップデートすべく、モデルルームを設計した建築家とコンサルタントとともに、10年越しのリノベーションがスタート。お子様の成長、働き方の変化、ご家族のライフスタイルに対応した各自の個室。リビングにワークスペースを設けて、自室にこもりすぎない工夫も。
コンサルタントが旗を振る中で建築家と対話を重ねる自由設計は、お施主様の不安を軽やかに払拭し、重ねた歳月とともに膨らんだ期待値を上回るリノベーションになりました。
BEFORE
エリアを学区からピンポイントに絞り込み、物件価格が市況により高騰していく中で根気よく探し続けた結果、購入されたのは壁式構造の低層マンション。
お施主様は、構造上の制約があるために折角の自由設計でのフルリノベーションを楽しめないのではないか、という懸念をお持ちでした。
躯体に囲まれた限られたスペースの中に、いかにそれぞれの個室と収納を計画し、モデルルーム時代から大切に使ってきた家具を配置していくか、趣味のスニーカー等の収納スペースをどのように確保していくかが課題でした。
目前にひろがる借景の桜の木を、キッチンにいる際に眺められることや、リビングダイニングでの生活の中で感じられることも、お施主様が大切にされたいことでした。