プランニングは、室内の断熱性能を高めることを起点に始まります。
間仕切り壁や建具を極力少なくし、エアコン１台で室内全体の空間を、心地よい温度にキープ。寒くなりがちな北側に位置する玄関まわりを、居室として取り込むことができます。LDK、少しお仕事のできる空間、収納、クローゼット、洗面所がシームレスにつながります。空間として独立させることの多い寝室も、ＬＤＫと一体化。
家族構成が変わった時に、ＬＤＫのどこかに部屋を新設も想定。壁や建具、造作家具がないことで、自由度が増します。今の暮らし方を大事にしつつ、未来へは柔軟に可変できる空間にしています。
断熱性の向上はデザイン面でも、心地よさをもたらしてくれます。
BEFORE
1978年生まれのこのマンションは断熱材が入っておらず、熱が入りやすく、逃げやすい状態でした。バルコニー側と廊下側の壁面に断熱材を入れ、窓の内側にはインナーサッシを設置。断熱性能は7段階中4と、国が定める省エネ基準を達成できるほどに向上しました。外部に面する壁や梁に断熱材を入れ、ふかすことで梁と柱をの面を均一にすることができます。面と面が生むキリリとした直角と白い色が、築46年の剥き出しコンクリートのラフさを引き締めます。
