ふと目に入ったのは懐かしい映画のポスター。
愛知県の繁華街、商業ビルの最上階にはひっそりと45席程度のミニシアターがある。
よく通る道、いつでも目に入ったはずなのにせわしない生活の中この日までシアターがあると知らずにいた。
そのポスターは学生時代に何度も映画館で見た作品だ。
懐かしさに自然と上映時間を調べる。昔は暇さえあれば映画を見ていたのにいつからだろう。
20年ぶりに見たその作品は色褪せることなく当時のまま。
不器用な主人公が他者と関わることで幸せを見つけていくストーリーは勿論、パリの日常をフィルムカメラで撮ったような映像が好きだった。
仕事を理由に他者と関わることを疎かにしている自分の日々に一石を投じられた気分だ。
この気持ちを忘れずにいたい、そんな時この物件に出会った。
再販物件としてリノベーションした本物件は
「沢山の人に受け入れられるより、たった一人に気に入ってもらえる空間」を目指し
世界観を大切にリビング・キッチンにはアンティーク調タイルを使用。
ショーウインドウを思わせるような室内窓やガラスのペンダントライトを設置。
まさにフランス映画のワンシーンをイメージしたものです。
リノベーションとはただ一人の為に、自由で気ままである事が醍醐味だと私たちは考えています。
世界でひとつ、あなたの為の空間を
BEFORE
まるでキャンバスのように真っ白な中古マンション。
愛知県名古屋市の繁華街からほど近いここに住む人を想像し、その人にとって運命の出会いとなるよう願いキャンバスを彩るようにプランはスタートしました。
中古物件再販事業はどんな人が住むかわからないことが殆ど。
この事から一般受けしやすいデザインに落ち着いてしまう事も少なくありません。
ですがリノベーションとは常に個性的であるべきで、世界でひとつ、世界で一人の為に、という想いのもとフランス映画に出てきそうな世界観をデザインしました。
どうしても暗い場所が出来てしまう縦に長い間取りだったので室内窓を多く使い、光を取り入れました。
再販物件のプライドをかけ挑戦した物件でした。