たどり着いた浮遊感 - Floating Feeling -

マンション  /   エリア:東京都  /   掲載日:2024-07-18

マンション  /   エリア:東京都

掲載日:2024-07-18

いいね!と思ったら、
ハートをクリック! 259

renovation image

今回「音楽を感じる部屋を作りたい」と、アシッドジャズの金字塔・ジャミロクワイの「Virtual Insanity」の世界観から着想。
“浮遊感”をキーワードに、3mの天井高とルーフバルコニーの開放感ある全面窓を活かす術を1年かけて練り上げた。
ダイニングキッチンは床から高さ64cmの位置に設定。
空間に高低差という「仕切りのない仕切り」を設けることで、LDKに奥行きと広がりを感じさせる造りに。段差にはダウンライトを設置し、夜間はダイニングが浮いているかのような演出を。
既存の天窓はあえてデザインを施し、高い目線で外界との繋がりを持たせた。
あえて雑多に見せるところ(ドア塗装やカウンター)と、浮遊感をきれいに見せるため繊細に造作した箇所を混在させることでメリハリを出しつつ、動線や視界にも気を配った。

リノベーションはとかく省エネやSDGsなどの側面で語られがちだが、大家側からすればもっとローカルなことのほうが大事。
「住む人あっての話なので。入居者がハッピーなら、そこから生み出される何かから地球にもっと優しくしていきたいですね」聞けば、募集開始から1週間というスピードで入居が決まったそう。
収益物件である以上はあくまでも住むための部屋。住まい手ファーストながら、時代におもねらないリノベで物件価値を覆す攻めの姿勢はこれからも続く。

BEFORE


before image

施主は、墨田区・江東区を中心に不動産賃貸事業を営む岡部保全合名会社。
1923年(大正12年)創業の100年企業とその歴史は長い。

築古物件をリノベーションすることで不動産価値を向上させて空室を解消する例は珍しくないが、近年、住人が高齢化するまで数十年と住み続けるケースも多く、そういう物件にこそフルスケルトンがものをいう。生まれ変わった物件も1988年築の36年選手。
「日本の住宅ストックがそういう時期にきているのかな」と同社不動産管理部の寺田氏。

岡部保全合名会社がこだわるのは、ありきたりな改修を煙に巻くようなデザイン。且つ、住み心地も損なわない空間であること。
「端的に言うと、カッコいいが正義。リノベするからにはアンチテーゼみたいな物件でありたいと思っているんです」

Before

After

    • 部門
    • 1500万円未満
    • 間取り
    • 1LDK+WIC
    • 費用
    • 1400万円(税込)
    • 形態
    • 賃貸リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体 / 水まわり / 居室・その他
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


CREDIT


  • 施主 岡部保全合名会社 代表社員 岡部晶代