「お昼休みに、ヨガとかできたらいいのにな」。
そんな社員の言葉にインスピレーションを受けた賃貸オフィスが、東京都大田区に存在する。
自社ビルのワンフロアをリノベーションして生まれたデザイナーズ賃貸オフィス「rooms higa」。“癒し”に焦点を当てた当オフィスは、約150㎡の空間に大小様々なオフィススペースが3室。その一つひとつに「ヒーリングスペース」を設けたことが最大の特徴だ。
壁で囲われた板間のような空間、本棚を設えたロフト、デスクが一体になった小上がりなど、形は様々。ヨガをしたりショートスリープをとったりと、ヒーリング時間の過ごし方もクリエイティブに発想する余白を残した。一人で集中して働く場として利用することさえも可能なこの空間は、「仕事×癒し」を見事に融合させた設計である。
こだわりは、素材にも。
各オフィスのヒーリングスペースを形づくるのは、地元・東京の木「多摩産材」。持続可能な森林の循環の促進にもつながる地産地消をデザインに取り込んだサステナビリティ性はもちろん、美しい木の質感に包まれたヒーリングスペースは、そこで過ごす人々の心と体を整え、より豊かでクリエイティブな働く時間を演出する。
忙しい毎日だからこそ、一息ついてまた力強く動き出す。
働く人の、働く時間そのものを豊かにする賃貸オフィス空間が完成した。
BEFORE
「オフィスは、仕事をするだけの場所でなくてもいい」。そんな同社の価値観が、今回のプロジェクトの起爆剤となった。鋼材販売店として1951年に設立された＜ヒガ・アーツアンドメタル株式会社＞。設立40年の節目の1991年に、自社ビル内に最新機材を取り揃えた映像編集・MAスタジオ、撮影スタジオを開設した。今回リノベーションしたフロアは、その撮影スタジオの直上に当たるワンフロア。元はさまざまなアーティストの創作活動の場として利用されてきたが、今回働く時間に”癒し”を取り込んだ賃貸オフィスとしてコンバージョンした。ワークライフバランスが声高に叫ばれる昨今、『ワーク』中のQOLを上げることも見過ごしてはいけない。そんな灯台下暗しのような命題に、スタイリッシュに切り込んでいった今回のオフィスリノベ。リノベーションでしか生み出すことのできない前衛的で自由な価値観が、このヒーリングスペースに凝縮されている。
