感性を解き放つ、45°の秩序

マンション  /   エリア:東京都  /   掲載日:2024-09-10   R mark

マンション  /   エリア:東京都

掲載日:2024-09-10  /   R mark

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本プロジェクトの舞台は築51年、44㎡の都内マンション。イラストレーターの施主が求めたのは、感性を刺激する空間と広さ、そして、閉ざされた「暗がりの」書斎だった。導いた解は、大胆に斜め45°の線で再構成した多角的なワンルーム。

造作収納と床材の切り替え、それに付随する天井のレールで斜めの線を描く。すると視線が対角線に抜け、室内がより広く感じられる。書斎に程よい陰影をつくるのは、日当たりの良い窓に背を向けるよう斜めに配したワードローブ。圧迫感を抑えた高さでありながら、日光の影響を受けずにイラストレーター業に専念できる空間だ。2つの造作収納と窓辺の造作天井はキャットウォークも兼ね、愛猫への工夫も忘れない。

「ワンルームなのに、景色も居場所も沢山あって飽きない」と語る施主。
窓辺から見た斜めのキッチン、書斎、キッチンから見たリビング、タイルで設えた洗面……
この住まいは、飾り方や家具配置によっても豊かに表情を変える。休日はウッドシャッターに天井レールから映像投影して楽しむという。45°の独創的な空間が、イラストレーターである施主の感性を日々刺激する。

45°に傾ける操作ひとつで空間の可能性が見出され、施主の求める機能性はもちろん、この先も変化が楽しめる自由な住まいを実現したプロジェクトとなった。

BEFORE


before image

リフォーム済みだった1LDKの物件。駅徒歩10分の立地で都心の勤務地にもアクセスがよく、経済的な築古物件で、ペット可という理想の中古マンションだった。既存の間取りは細かく区切られて空間が狭く感じられ、加えて共用廊下側には窓もない。この状況下でいかに空間を広く感じることができ、かつ必要な空間分けを実現するかが求められた。

トイレ、UB等の設備は配置を変えず既存を再利用し、最小限の建具で構成。壁塗装は施主によるDIYでコストを抑え、造作などデザイン重視の予算配分を実現した。

斜線の交差により敢えて室内に角を増やし、限られた空間の中にも多様な溜まりと動きが生まれるよう計画。室内を移動するだけで景色が変わり、この先もつづく暮らしに新鮮さを与えることを目指した。

Before

After

    • 部門
    • 1500万円未満
    • 間取り
    • 1R
    • 費用
    • 969万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)
  • 照明器具、DIY塗装

物件情報


    • 築年月
    • 1973年11月
    • 構造
    • SRC
    • リノベーション面積
    • 44.00
    • 施工期間
    • 3.5ヶ月
    • 備考

CREDIT


  • 株式会社groove agent 設計:野田歩夢