松竹梅の「欄間」 ―ローテンブルクと時の記憶―

戸建  /   エリア:兵庫県  /   掲載日:2023-09-19   R mark

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掲載日:2023-09-19  /   R mark

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「元のお家にあった意匠は、どこまで残す?」。格子や梁などは、うまく残してリノベーション後も空間の“顔”となることが多いですが、では、「欄間」についてはどうでしょうか?欄間は日本の建築様式の一つで、花鳥風月などの彫刻が施されたいわば「伝統的工芸品」。ただ、職人技が光るような豪華絢爛な意匠だと“和”のテイストが強くなりすぎる……と敬遠されがちなのも、また事実。その文化的な価値をちゃんと理解し、リスペクトする想いをもつご夫婦がこの中古物件と出会い、「リビングにある欄間は、絶対に残したい」と決意。奥様にくわしく話を伺うと意外にも、ヨーロッパで見た風景についてのエピソードが決め手だったそう。欄間とヨーロッパが交錯する!?

「古い建物と新しいものが混じり合った街並みが印象に残っていて、特に心惹かれた街はドイツ南部のローテンブルク。長い歴史をもつ街ですが、第二次世界大戦で街の半分は損壊。再建の際には多額の支援があったそうで、大事にされてきた街に感銘を受けました。マイホームを考え始めた時から、“歴史を刻みながらも、これからも大切に時間を重ねていける我が家がほしい”と思っていて、欄間のもつ空気感が旅の記憶とすんなり結びついたんです」。
松竹梅の透かし彫りが施された欄間は、すっかり「和洋折衷の家」の顔に。照明を灯せば美しい影が壁に映え、「BARみたいな雰囲気になるんです」と大満足です。

BEFORE


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リノベーションしたのは「売土地」として出ていた物件で、築42年の空き家は“ほぼ価値がないもの”とされていました。そんな中古物件に魅力を見いだし、惚れ込んだ一番の決め手は「大切にされてきた建物がもつ空気感」と話すオーナー夫妻。「家自体も、周辺地域も、良い印象しかなかったので即決です」と語ります。

“欄間を大切にする想い”が生まれるきっかけとなったドイツの旅からは、いくつかのインスピレーションをキッチン、玄関、リビング土間などで展開。さらに、知り合いから譲り受けたというソファや椅子などからも、“古き良きもの”を大切にする心意気が垣間見えてきて、“和洋折衷”のバランスを上手くとっています。

Before

After

    • 部門
    • 1500万円以上
    • 間取り
    • 3LDK
    • 費用
    • 1920万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体 / 耐震補強 / 断熱改修
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1980年7月
    • 構造
    • 木造
    • リノベーション面積
    • 115.80
    • 施工期間
    • 3ヵ月
    • 備考

CREDIT


  • G-FLAT株式会社