共働き夫婦である施主のリノベーションテーマは、効率的な生活とコミュニケーションの実現。キッチンのバック棚の一角にご主人様のワークスペースを設けること事で、窓からの景色を楽しみながらキッチンに立つ奥様とコミュニケーションも取れるようにしました。また、玄関から直接納戸を通りキッチンへ続く動線と、寝室からクローゼットを経由してランドリーや浴室へアクセスできる配置を採用し、生活の流れがスムーズになる間取りを設計。
解体工事着工日の朝現場へ行くと、リビングの一番大きな壁に「15年間どうもありがとう、お世話になりました」のメッセージが書かれていました。施主にとって愛着のあるこの家をリノベーションする責任と、この仕事を任せていただいた喜びを強く感じました。メッセージが書かれた躯体のクロスは残し、上から壁を作りました。リノベーション後、一番長い時間を過ごされるようになったリビングの壁の中には、今も温かい想いが残されています。
BEFORE
約15年間賃貸として住んできた築37年の中古マンションを購入した施主。リビングから見える景色を活かした家事動線の良い住まいを希望し、フルリノベーション。各スペースが閉鎖的で分かれている間取りを、夫婦がお互いの気配を感じられる空間を意識しました。