ご祖父母様のお住まいをお孫様が引き継ぎ、リノベーション。思い入れのある木質感豊かな既存邸を活かしながら、住まいの性能向上を図った。間取りの変更に際しては、LDKを和室に繋げて広く取り、既存窓を相互に通すことで光と風が抜ける開放的な空間に。和室の面影として床脇部分は活かし、閉じられた地袋だった部分を本棚に変更して、お子様の幼少期から現在までの本を収納。LDKの木部分は既存邸の特徴であったため、極力残すことで面影を引き継いだ。洗面スペースは機能性重視で一新させ、庭の緑と朝の光をたっぷりと取り込めるよう設計。お子様の部活動等、荷物の多い時期であることから、各部屋の収納スペースは収納物の量・形状に合わせて充分に確保できるよう配慮した。窓廻りは既存窓に加えて内窓を採用し、隣接する道路の喧噪を遮音。静かな環境を確保できるようになり、音楽や読書、ご家族との会話を以前よりも楽しめる空間となった。奥様の大切な思い出を残し、これまで、これからの記憶を更に紡ぎ行く、ご家族を見守るおおらかな樹木のような住まいとなった。
BEFORE
奥様がご祖父母様から贈与されたことを機にリノベーションをご検討。40代のご夫婦と、2人のご子息が住まわれる計画。築48年が経過し、老朽化が進む木造平屋5DKの住まいは、夏は暑く、冬は寒く、熊本地震の影響によって雨漏りも発生していた。立地は交通量の多い道路沿いであり、防音改修もご希望。一方で、奥様が幼少期から過ごされていた思い入れのあるお住まいであることから、既存の面影を引き継ぎたいとのご要望もいただいた。性能面の向上を図りつつも、思い出を重ねる部分を残し、いままでもこれからも愛し住み継がれる住まいとなるようリノベーションを計画した。