朝の静かなリビングでふと思う。ふたりだけの時間なんていつぶりだろう。仕事、家事、育児に追われる、子どもを中心とした賑やかな生活。自分のことはさておき、毎日を無我夢中で走ってきた。子どもらが巣立ち、定年退職を迎えた今、再び始まる、ふたりだけの時間。TVや新聞から聴こえる「人生120年時代」。なんだ、60代なんてまだ折り返し地点じゃないか。2度目のふたり暮らしは、誰のためでもなく自分たちのためのもの。お互いの時間、お互いの健康、毎日の距離感、そして心豊かに過ごせる空間。これからはふたりがいいと思うもの、感じるものを大事にしたい。この作品は増加していくシニア世代にフォーカスし、これからのセカンドライフの在り方を再考した再販プロジェクトである。ポイントの一つである全館空調は、家全体を均一な温度に保ち、宅内における死因の大きな割合を占めるヒートショックを予防。二重窓、全熱交換機により、断熱性、快適性も向上。漆喰壁やチーク材のフローリング、麻のタイルカーペットなど、自然素材をふんだんに取り入れ、使う素材でも「健康」を意識した。また時とともに味わいが増す自然素材の経年変化は、これから自分たちのための暮らしを積み重ねていく、セカンドライフそのものではないだろうか。空間に上質な彩りを与えるオリジナルキッチンや造作家具。フレキシブルに使うことができる窓辺のヌックは、ふたりの距離をゆるやかにつなぐ。
BEFORE
本物件は、「名古屋駅」から地下鉄で約20分の「一社駅」より徒歩約10分の場所にある閑静な住宅街に建つ築23年のマンション。
都心に近過ぎず、遠過ぎない距離感。
南向きのバルコニーからは、名古屋市内でも有数の桜の名所で、市民の憩いの場にもなっている平和公園を望む。
徒歩圏内にスーパーマーケットやドラッグストアなどもあり利便性にも優れる。
今回の再販プロジェクトのメインターゲットであるシニア世代の夫婦ふたり暮らしにぴったりのこの物件。
元々の間取りは、夫婦+子供のファミリー世帯向けに作られた3LDKタイプであった。
新たに始まる、ふたりのセカンドライフに寄り添った住まいにするため、リノベーションを施した。