古い家屋を解体した後、捨てられてしまう古材。リビングドア・トイレドア・廊下収納の扉・洋室のクロゼット引き戸・キッチン腰壁の組子は谷中・千駄木の古民家から、広縁の5枚障子戸・洋室ドア・洗面室ドアはすみだ向島地域の古民家から、リメイクして下足収納にした箪笥は入谷から。古材レキュー(引き取り)等、古民家を残す活動をされている方々にお譲りいただきました。
これまでの日本では、次々に建物が建ち、古くなると壊され、また新たにつくることが繰り返されてきましたが、昨今では、環境負荷の軽減という観点から既存の資源や建物などのストック活用が奨励されるようになりました。リノベーションもストック活用の一つですが、内装には新品の材料が使われる違和感を感じていました。そこで、このリノベーションでは、顔となる建具や造作家具を古いもの、ストーリーが刻まれたものを使用しました。
BEFORE
線路が横切り、目の前は公共施設のこの物件は音や視線の問題があり、バルコニー側に広縁をつくり干渉エリアかつ、窓辺のくつろぐスペースをつくっています。古民家で部屋と部屋を仕切る建具として利用されいた障子が今度は外と中を緩やかに繋げる役割を担うことになりました。