ビルの谷間を彩る緑の帯。仙台の定禅寺通のたたずまいはやさしい木漏れ日の散歩道。緑陰が恋しい季節には立ち止まって木立を見上げる人の姿も。 ブロンズ像がたたずむ中央分離帯の遊歩道はそぞろ歩きを楽しめる通り。
そんなエリアにあるマンションの一室で問題が起きる。
隣に高層マンションが計画され陽当りが心配。都心部ではよくある問題だ。
再販物件の苦しいところは予算が事前に決まっており市場価格にあわせて物件を仕入れ、リノベーション工事を行う。
予算は無いが、知恵はある。
『いっそ隠しますか』
プロジェクター用のRSで窓を隠し、照明一体型のプロジェクターを天井に設置した。その時の気分で情景を変えてみる。
プロジェクターの電源を入れる。
夜景や紅葉、雪景色。動画をザッピングする。
不思議なことに喧騒も気ならなくなった。
ソファーに腰掛けてRS上部に設置したばかりのエアコンに電源を入れた。
30度を超える室内温度。強風が体に心地よい。
そうだ!アクション映画を観よう。この風が臨場感を生むかもしれない。
体感型シアタールームの完成である。
BEFORE
開放感と清潔感を最重要課題としてプランと仕様設備を選定した。
リビングダイニングのスペースが限られていたので、和室を洋室に変更し間仕切ドアにはガラス戸を採用して多目的に利用できるようにした。さらにカウンターキッチンに変更したことにより、家族が自然と顔を合わせるリビングスペースを演出。
壁紙や床材、建具はホワイト色を基調に清潔感を大切にした。