壁1枚で3人+1匹の毎日が変わる;リノベーションで大きく変えたのは、子ども部屋の仕切りのために設置した壁の部分だけ。それでも、暮らしやすさ、世界観は全く違うものになりました。壁を取ることで空間を広々使えることもありますが、逆に壁の設置によって空間が再構成され、スペースが有効に使えることもあります。解体は最小限にし、暮らしを最大限に変えることができました。
ご夫婦は2年ほど前にご自宅購入。いったんそのまま住んで、今後どうするかを考えたいと希望されていました。その後「娘の部屋を作りたい」とリノベーションの相談にみえました。実際に住んでみると、LDKが使いにくい、収納が足りなくてものがあふれるなど、改善したい点も明らかになったそうです。
大きく変えたのは「一枚の壁」のみ。可動式の引き戸で緩く仕切られていたダイニング部分を、固定の壁を設置して独立した子ども部屋に。仕切りを外して広いLDKにする事例は多いですが、今回は個室にするために壁を作りました。
壁には、日本の伝統的な技法である組子細工を施したドアをつけて印象的に。ポストと飼っている猫の出入り口、さらに、有田焼のカサをつけた照明を組み合わせて、家の中に小さな家があるような雰囲気です。猫が昇り降りできるキャットステップも、ドアの横の壁に作りました。壁の面裏を駆使し、3名+1匹それぞれのための暮らし改革が実現しました。
BEFORE
築20年程の都心の2LDKマンション。購入時、全面リフォーム済みの室内はとても状態のいいお部屋だったため、リノベーションはすぐにせず、しばらく様子を見ることに。
新型コロナウイルス感染症を経験し、不動産市場や住宅市場の需要と供給に影響を受け、全面リフォーム済みのマンションが市場に出ています。暮らしてみて、長く住める地域や環境であればリノベーションするという選択肢。賢明で計画的な人生プランを立てることが大切です。
子どもが生まれたことを機に、リノベーションすることにしたルイス/有加・メンドさんご家族。ご夫婦はそれぞれ仕事を持ちつつ、ギャラリー、アトリエ、宿泊場所などを併せた「ALMOST PERFECT」を一緒に運営されており、日本の情緒と故郷スペインのハイブリッドなエッセンスをお求めでした。