リノベーションの本質とは
「その人の暮らしに合わせた空間造り」。
今回の「ヌック」は、まさにこの本質を突き詰めた結果の最適解である。
当時からついていたサンルームスペースだが、ご夫婦にとっては物置や観葉植物をおくスペースでしかなかった。
最も陽だまりが心地よく入る空間が、自分たちのライフスタイルでは生かしきれない。
そんなジレンマを抱えてたどり着いたのが「ヌック」という選択肢。
元々のサンルームは「こぢんまりとした居心地いい空間」をつくるには何もかもが適切であった。
「既存サッシの高さまでしか確保できない開口」=「おこもり感のある額縁のような開口に」、
「高い位置の腰窓」=「小上がりから窓下までの高さを生かし、ヌックの背もたれに」、
「柱の奥にあるデッドスペース」=「利便性の高い棚板に」、
まさに全てが嚙み合った計画といえるだろう。
今ではティータイム、読書、お昼寝、時には帰ってきた息子夫婦がくつろいでみたり…様々な場面でご夫婦の生活に彩を加えてくれる。
BEFORE
お子様が独立したのをきっかけに、これからはご夫婦2人での快適な住まいをつくりたいという想いから、リノベーションを検討し始めた。
お子様優先の生活だったので、まずはこれからの二人のライフスタイルを分析するところから始める。
趣味の料理が楽しくできるキッチン、旦那様専用の書斎、大きな洗面台、パントリー、回廊型動線…目指すべき方向性も見え、
無駄のない間取りを考えていく上で1箇所だけどうしても利用方法が見いだせない場所があった。それがサンルームである。
ここまで検討していく中で、そこの活用方法を妥協して良いのか・・・?
自問自答を繰り返す中で、すべてにおいての最適解を探す打合せが始まった。