戻す家

戸建  /   エリア:新潟県  /   掲載日:2023-09-16

戸建  /   エリア:新潟県

掲載日:2023-09-16

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新潟県長岡市、築125年の古民家改修。雪が残るある日、本物件と出会った。外部が激しく劣化しており、雪の重みで一部屋根が崩れ、まるで廃墟であった。中に入ると、古さの中にも気品がある力強い空間が広がる。元々、古民家を購入し改修を検討していたS様は「残すべき使命を感じた」と話す。これが「戻す家」の始まりだった。
改修前に建物を隈なく見て回った。土壁の土に、床に敷かれた古材、建物を支える立派な柱と梁。全てが貴重な財産に思えてくる。しかし、このままでは地震の恐怖や冬の寒さなどの不安が残る。「一度全て取って、耐震・断熱改修した後に戻しましょう」と伝えた。
土壁は叩いて壊し、土にして保存した。
床の古材はきれいに取り、丁寧に水洗いした。
構造の柱・梁は埃を払い、一本一本磨いていった。
改修が進む現場にはいつしか、S様夫婦の両家も参加し、壁に土を塗る共同作業が行われていた。労力が愛着に変わる、そんな瞬間であった。完成した空間は大きな吹き抜けと建物の歴史が共存している。耐震、断熱の改修も施し安心と快適を備えている。S様のご両親は改修後も、庭の手入れ、薪ストーブの薪の支給など毎週のように手を掛けてくれる。改修中の共同作業がとても嬉しそうだった。時が経ち、なかなか会えなくなった両親が、今度は会いに来てくれる。あの日に戻るような気持ちは、何にも代えがたいこの家の本当の価値ではないだろうか。

BEFORE


before image

築後125年の間に幾度となく増築された本物件は、当初、複雑な形状をしており、改修後の建物の維持管理と耐震の観点からシンプルなかたちに整える必要があった。ただ、新潟県長岡市という豪雪地域にも関わらず、雪にも地震にも耐えた構造部分が唯一の救いであった。また、近年の新潟の夏はものすごく暑く、冬は湿気を含んだ重い雪が大量に降り積もる。これから夏も冬も何十年と快適に暮らしつつ、古民家の良さを活かす大きな吹き抜けと広さのある居住空間を計画するにはどうするべきかが課題であった。

Before

After

    • 部門
    • 1500万円以上
    • 間取り
    • 2LDK
    • 費用
    • 2200万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1898年1月
    • 構造
    • 木造
    • リノベーション面積
    • 182.40
    • 施工期間
    • 6ヶ月
    • 備考

CREDIT