不便な家

戸建  /   エリア:新潟県  /   掲載日:2023-09-16

戸建  /   エリア:新潟県

掲載日:2023-09-16

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効率良く「便利」なことが必要不可欠な現代において、日常生活で無意識に便利を選択する機会が多々あり、考える間もなく実行されている。
一方、「不便」とは改善のきっかけでもある。便利を目指すと使い方が限定され、その物の名称の役割りになるが、不便は常に変化できる状態で予定調和にいかない個性と愛着を生む可能性を秘めている。
さて、この家は住んでから解決していける余白のある「不便な家」である。延床面積29坪のコンパクトな総二階は当初、便利な役割りで埋め尽くされていた。
そこで不便とは「場所の名称」を外すことと定義した。この家での「LDK・洋室・ホール」は、時に「寝室・仕事部屋・サンルーム」にもなり、暮らしの変化に応じて過ごす場所の名称が変わる。壁際にキッチン、ベンチ、収納を寄せ中央に広い空間をとる。1、2階共この構成で上下階の空間を選択できる。外周壁面には棚等を自由に設置できる棚受け柱を90㎝ごとに計画し、柔軟な暮らしに対応している。
リノベーションはいつも制限が付き纏う。想像通りにいかないことを前向きにとらえ、意図しないものに面白さを見い出す。そんなリノベーションにはいつも感動がある。
本プロジェクトは築7年の中古物件を断熱改修でUA値0.36 W/m²・K(断熱等級6)に性能向上し、国の補助金約150万円も取得した「築浅アップデート」という次世代型リノベーションのかたちでもある。

BEFORE


before image

本物件は、新潟県新潟市中央区にある2016年に土地区画整理事業が完了した比較的新しい分譲地の一画にある一般住宅である。
この家は、モリタ装芸の新築注文住宅の商品ラインナップのひとつで、築7年で売りに出された中古物件を購入し、フルリノベーションしたプロジェクトである。シンプルな長方形の箱型形状の延べ床面積29坪の総二階で、図面も全てそろっていたためリノベーションを検討しやすい物件であった。
前面道路以外の3方向を他の住宅に囲まれた立地条件で、建物以外に駐車スペースと小さな庭があるが、余白のあまりない配置計画となっていた。暮らしの快適さは外部環境を内部にどう取り入れるかが重要となる。ここにも不便な条件がそろっていたが、既存建物の良さを活かしつつ、どのように前向きにとらえてかたちにするかが課題であった。

Before

After

    • 部門
    • 1500万円未満
    • 間取り
    • 5R
    • 費用
    • 1485万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 2016年10月
    • 構造
    • 木造軸組金物工法
    • リノベーション面積
    • 97.71
    • 施工期間
    • 3ヶ月
    • 備考

CREDIT