新しい価値観の持ち主たちへ。

その他  /   エリア:山梨県  /   掲載日:2023-09-16

その他  /   エリア:山梨県

掲載日:2023-09-16

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「瓦を知ることは、日本の建築文化に触れること。瓦には、日本の生活と慣習、文化や意匠のすべてが詰まっている」。こう話す一ノ瀬瓦工業5代目の一ノ瀬靖博さんとアトリエいろはとのプロジェクトはこれで3度目。今回は『山梨学院大学』が推進する大学の魅力化施策の一環として、キャンパス内に学生がくつろげるカフェスペースを設けるというものでした。創業100余年。一ノ瀬瓦工業は、伝統ある日本の瓦文化に敬意を示し続ける地元企業。国内外で活動する彼らと僕らアトリエいろはは共鳴する部分が数多く、今回も二人三脚でプロジェクトを進める形となりました。建材の主役はもちろん「瓦」です。中央に造作した木造りのカウンターの屋根には、一ノ瀬さんが集めた廃材の瓦。丁寧に葺き、約100年ものの“ヴィンテージ”ともいえる瓦に新たな命を与えています。空間に唯一無二の空気を醸成するのは、学生らの参加を募って積み上げた『KAWARA WALL』でしょう。3500枚という瓦は、こちらも廃材を用いています。「モデルはお寺などで行われている『瓦の裏書き』。参加者それぞれに瓦にメッセージを書いてもらい、それを使おうと考えました」(一ノ瀬さん)古き良き日本の建築文化を今に伝える「icch KAWARA COFFEE SALON」。多様な価値観が交錯する社交場として、帰ってきたくなるくつろぎの場として、まちと教育に寄り添い続けるのでしょう。

BEFORE


before image

赤煉瓦の建物群が象徴的なキャンパスの入り口付近の空間をリノベーション。もともとエントランスホールの待合いスペースとして利用されていた空間は、昼間でも光が入りづらく、伽藍堂。殺風景ともいえる冷たい空間を、人々が行き交い、気軽にくつろげる温かい場所に変貌させました。
当初はキャンパスの雰囲気にマッチさせる内外装を予定していましたが、大学が掲げる「地元企業と文化」に着目してがらりと方向転換。日本の建築文化を象徴する「瓦」を主役に、北欧家具で調整をはかりながらリラクシングな空間を目指しています。
外国人留学生と地元の方々、そして日本中から集まる若者。キャンパス内に“誰かに自慢したくなる場所”を誕生させる。僕らのアイデアとリノベーションが、少子化時代の大学が直面している課題解決の手立てにもなればと思います。

Before

After

    • 部門
    • 無差別級
    • 間取り
    • 店舗
    • 費用
    • 2200万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • その他
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


CREDIT


  • 山梨学院大学
  • 施主 学校法人C2C Global Education Japan 理事長 古屋光司
  • プロジェクトオーナー (有)一ノ瀬瓦工業 代表取締役 一ノ瀬靖博
  • 植栽計画 Yard Works