画角におさまりきらないほど広いLDK。
元々備え付けだった窓際の収納は、扉を取り払い、本のみならず自由に使える収納スペースに。実はこの窓枠の上部にも、文庫本サイズの本が収まる棚板が備わっている。
腰窓の落下防止用手すりに、衣類を天井吊りするアイアンハンガーパイプを用いるところは、まさにASSYの遊び心。
壁面の本棚もまた、高さ20cm×奥行20cmと文庫本がぴったり入るサイズ。壁の形に合わせてカットしたラワン材の棚板
を壁に飲み込ませ、棚受け金具も最小限に造作。
玄関を入ってすぐのエントランスホールには、手持ちの本棚をレイアウトして「小さな図書館」を構想中。愛読書のためのストレージ無双に終わりはない。

どの本にもそれぞれに思い入れがあり、何年先も今日と変わらぬコンディションでいて欲しい。
愛してやまない蔵書の保管を考えるうえで「湿気」は大敵。
この蔵書収納プランニングには、ストレージという視点のみならず、風の通り道を確保するというテーマも含んでいる。
天井に沿って部屋から部屋をまたぐダクトや、書斎、子供部屋、WICの欄間の室内窓、ラワン材の引き戸は風を通らせるためのコンポーネント。パントリーやニッチスペースには扉を設けず、人も風も心おきなくこの空間を回遊している。