コロンとした体形や愛らしいしぐさに魅了され、モルモット7匹とチンチラ3匹を飼っているオーナー。ペットとの共生を重視したリノベーション相談は増えていますが、モルモットもチンチラも非常に繊細で、飼育難易度が高い生き物です。そのため、「常時エアコンで温度管理」「空気清浄機も必須」「ケージ外で安全に運動できる場所(何でもかじるので対策が必要)」「7匹分のケージを置くスペース」といった条件をクリアしつつ、人間も快適に暮らせることが今回のテーマでした。
そこで、リビングの一角を占めていたペットスペースを廊下の一部に立体的にレイアウト。ガラス戸で仕切ることでエアコンと空気清浄機の範囲を限定し、電気代に配慮しました。ペット達が安全に遊べるようケーブル類を隠すためのドアも設置しています。ペットスペースは玄関とLDKをつなぐ導線上にあるので、外出時や帰宅時にペットの様子を見ることもできます。
さらに居心地のよい住まいにするため、クローズされたキッチンの壁を部分撤去し、視線の抜けを確保しながらリビングからの光を奥まで届くようリノベーション。ペット中心だったリビングが家族のくつろぎの場となり、家として初めて機能するようになりました。主寝室の壁には室内窓を設置し、こちらも視線の抜けを作って開放感をプラス。人間も繊細なペットも、どちらにとっても心地よい環境になりました。
BEFORE
タワーマンションにありがちな、リビングを奥に配置した間取りのため廊下が長く、約90㎡の広さがあるにも関わらず、それぞれのスペースに広さがとれない中途半端な間取りでした。また、クローズドキッチンがLDKの中央にあり、リビングとダイニングを分断しているせいで生活しづらいというデメリットも。そして、気になるのが電気代。リビングにペット達のケージを置いているため、天井カセットエアコンは終日稼働しっぱなしでした。しかも、彼らが快適な室温20℃は人間には肌寒く、快適さとはほど遠い状況。「ペット専用の小部屋が必要」と感じ、今回のリノベーションに踏み切りました。