2021年暮れ、私たちが営む店舗の隣が空きビルになったことが今回のプロジェクトのはじまりだ。
「この空きビルを活用するのは自分達しかいない！ 」と、勝手な使命感にかられ、誰に頼まれた訳でもなく、テナントを探しはじめた。 知合いの飲食店や物販店に声をかけ続けるも、なかなか上手くいかない。 2021年の暮れといえば、コロナ渦真っ只中。新たな店舗をこのエリアに呼び込むことは難しかった。 悩んだ末、先ずはこのビルの価値を上げることを目的に、思い切って自分たちで1棟借りることを決意。
“箱だけでなく、そこで使うモノや道具も大切な要素として提案したい” リノベーション業を営む私たちが日々考えていた想いをこの空きビルで具現化するため、 インテリアショップ、カフェ、ギャラリー、リノベーションのショールームを併設する暮らしの複合施設「conceptstore A.」をオープンすることに。 また、空間の多様な活用方法として、1階の元駐車場スペースと2階ギャラリーを、地域に開いたレンタルスペースとした。 オープン後、地元飲食店のポップアップイベント、作家の個展や写真展などを行うことで、地域の人も集える場となった。
隣の既設店舗との往来も盛んになり、ビル周辺を歩く人が少しずつ増えてきた。今後、この再生された2つの兄弟ビルがエリアの価値を上げる兆しになればと思っている。