白黒つけない「グレー」な最適解

マンション  /   エリア:東京都  /   掲載日:2023-09-11   R mark

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いかにして住む人の生きづらさを取り除くか。リノベーションとは、住む人が自分らしくいられる空間を追求するプロジェクトである。

在宅でも仕事をする施主様は、汚れや生活感があるものが目に入ると片付けたくなってしまう性格。とはいえ仕事中は好きな時に掃除できない、部屋は綺麗に保ちたいが忙しくて手が回らない。施主様が自分らしく暮らせる家の条件は「落ち着いた時に自分のペースで家事ができる」だった。

溜まるホコリや汚れはコントロールできないもの。では、家を工夫することで自分のペースが守れるようにと採用したのがグレーの内装だ。
白い壁紙は汚れてしまうし、フローリングはホコリや髪の毛が目立つ。部屋全体を中間色に統一したのはそんなストレスを軽減するため。一時的に汚れが目につかないようにすることで、自分のペースで暮らしやすくなるようにしたのである。
また扉付きの収納は生活感を隠しながら、ホコリや日光からモノを守って長持ちさせる工夫。意匠的である前に機能的なものだけで空間の全てが構成されているのがわかる。

暮らしやすい家にしたいと思うのは当然のことだが、その答えは住む人の数だけあるはずである。住む人にとっての最適解——それは時に白黒つかないグレーなもの——を突き詰める、そのために住む人の個性やスタイルにどれだけ寄り添えるか。その追求こそがリノベーションの意義であり、醍醐味だろう。

BEFORE


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以前の賃貸物件では白い壁やフローリングの汚れが目立つのが嫌だったという施主様。舞台美術の仕事をしていることもあり荷物が多く、収納を買おうにもサイズが合うものがなくつくるのも大変。リノベーションでならそんな暮らしのストレスを軽減できると思ったそうだ。多くのリノベーションがそうであるように、理想を実現する前に現状の不満解消が求められた。

角部屋で窓が多いものの、部屋が細切れに区切られて風通しが悪かった本物件。壁を最小限にしたワンルームにすることからプランは始まった。
緩やかなゾーニングのために梁を活用。ひと続きの各部屋は素材と色味で統一感を持たせつつ、独立した空間に。
内装はもちろん、設備もグレーの既製品を組み合わせて空間を構成。素材にこだわりシンプルさを突き詰めた内装に、施主様の暮らしの色彩が映える。

この「グレー」は、住む人が選んだ最も合理的な最適解である。

Before

After

    • 部門
    • 1500万円未満
    • 間取り
    • ワンルーム
    • 費用
    • 1316万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)
  • ダイニングテーブル、ソファ、キッチンカウンター、ベッド

物件情報


    • 築年月
    • 2005年1月
    • 構造
    • RC
    • リノベーション面積
    • 61.17
    • 施工期間
    • 3.5ヶ月
    • 備考
    • 【不動産仲介・設計・施工】ゼロリノベ(株式会社groove agent)

CREDIT


  • 株式会社groove agent 設計:松谷祐季