この「門」を、私たちは「かど」と読みます。
「門」を「かど」と読むと、家や家族、一族という意味になるのです。
元々あった、現代では使いずらい6畳2室の和室は、
最低限のプライベートを確保する部屋と捉え、できるだけ小さくし、
各所に必要な収納力と、中心となるリビングにスペースを当てました。
主寝室以外は、自然と家族が集まるハブのようなリビングです。
家の顔となるのは、既存の梁を生かし、部屋を大きく包むように構えられた「門」。
その門の中心に据えられたデスクで、
子供たちは勉強、大人は仕事をしたり、書き物をしたり。
時には、部屋にひとり籠りたいこともあるでしょう。
内と外を分ける門、内と外をつなぐ門。
嬉しいとき、悲しいとき、楽しいとき、辛いとき。
扉をあけて、門をくぐれば、
やさしく気持ちを包んでくれる人がいつもそこに。
デジタルに溢れ、誰もがデジタルを携えている時代。
だからこそ、より一層、いつもお互いのの気配、
表情を、自然に感じられる空間が必要だと、
私たちは、再販で改めて提起します。
BEFORE
中部圏最大の鉄鋼基地を擁し、「鉄鋼のまち」として知られる東海市。
かつては多かった森林を開拓し、近年は住宅団地も増え、教育施設や支援に
手厚い取り組みを行っていることが魅力のまちである。
初見で最初に感じたのは、リビングから分断されたようなキッチン。
部屋数の割に、ファミリー層に求められている収納力の不足。
さんさんと穏やかに差す陽の光、窓から広く抜ける眺望の良さと、
リビングとの繋がりをもっとキッチンに届けたい。
そんな想いからプランニングがスタートした。