コロナという苦しい時間をサバイブしてきた私たちは、
ようやく大切な人たちを迎え入れる余裕と準備が整ってきた。
住まいの中で、来客を出迎える「家の顔」である玄関。
遠方より帰ってきた家族や、気が置けない友人らが訪れた時、
玄関を開けた瞬間の驚きと、クスっとした笑みを想像する。
玄関の扉を開けた突き当りに位置するトイレの一角に棚を造作し、
トイレットペーパーの各ロールに、モナリザのピースを一つひとつラッピング。
通常は隠しておきたいと思う日用品のストックを、大胆に魅せるひとつの提案である。
築42年の配管をリフレッシュするためスケルトンからスタート。
床は段差をなくして、誰にでも生活しやすいフラットフロアにし、
床材は環境にも配慮したサスティナブルなフローリングを使用。
炭素貯蔵量:646kg、森林保全面積:4,080cm²を達成。(某メーカー算出)
既存の間取りから、大きなプランの変更はないものの、
暮らしを支える、見えない「縁の下」部分が生まれ変わり、
少しのアクセントによって暮らしの余白が作られた。
「次は、何展にしようか!」
「パパの誕生日メッセージ、ここに作る?」
「いつか、本物を観に行こうね。」
そんな住まい手の、「日常の物語」が咲くことを願って。
BEFORE
近隣には、日常の衣食住を網羅する大型スーパーや、
地域包括医療を担う病院、保育園・学校などが徒歩圏内にある
非常に便利な立地である。
一見平凡で、リビングを広げたくなる3LDKの間取りは、
ファミリー層だけでなく、子供や孫が遊びに来た時のためにと、
子育てを終えた年配の夫婦にも需要があることを鑑みると、
実は無駄のない間取りであることに気づく。
築42年の既設配管をリフレッシュすること、
既存の間取りには少し足りない収納力と、少しでも広く、
より豊かなコミュニケーションが取れる解放感のあるLDKを目標に
エッセンスを加えていくことにした。