マンション / エリア:神奈川県 / 掲載日:2023-08-21
マンション / エリア:神奈川県
掲載日:2023-08-21
横浜市にある大規模開発団地の一室。
子供の頃住んでいたご実家を、息子さんが住み継ぐことになりました。
築60年の団地を現代の住まいとして適応するよう、最も注力した点は「断熱」と「換気」。
外部の空気を遮断して専有部内が均一な温度になり、かつ北側と南側の窓をうまく活用し窓を開ければ風が抜けるよう計画しました。
外気に面する床壁の発泡ウレタン吹付に加え、開口部はハニカムブラインドを採用。玄関は網戸も含めた三重構造で、特に寒さの懸念がある北側の玄関・お手洗いにはインナーサッシを取り付け。コストバランスよく全体としてUA値を2.3から0.8(=断熱等級4)まで向上させ、年間光熱費は47%削減見込みです。※1
換気は機械換気を増設し、キッチンと水回りの対角線に配置することで効率的な空気の循環を行っています。
また、全体的に引き戸を採用して生活動線・風通し両方の視点で回遊性を確保しました。
特徴的な壁面のグリーンは外壁と同系色で、自然あふれる写景との繋がりをもたせ、春には桜を楽しむこともできます。寝室には落ち着いたネイビーを採用し、仕切りがなくともプライベート性を保っています。
転勤族で、ワンルームに寝るだけの生活だったというお施主さま。引っ越してからは定期的にホームパーティーを開催しているそうです。
団地リノベーションの最適解がここには揃っています。
BEFORE
広がる黒カビをなんとかしたいという何よりのご要望を叶えるべく、原因を見つけるため部分的に解体を行うところから始まりました。
1Fかつ床下が土で、当初は床下の湿気が原因と予想していましたが、根太は腐食しておらず床下換気口もあり、カビの原因ではないと判断。原因は給気、排気口がほぼなく、換気が行われていなかったことでした。まずは換気計画から始まり、間取りや断熱方法を考えていきました。
建材には経年良化する自然由来の素材を使っています。壁のジョイントの目地は敢えて埋めず、直線を美しく際立たせます。コストカットしながら長期的に見て懸念される塗装の割れをもデザインに落とし込みました。将来的には賃貸に出すことも考えて、意匠だけでなく環境を活かした機能のアップデートをすることで、誰もが長く快適に過ごせる住まいをを目指しました。