タクミノイエリノベ2

戸建  /   エリア:福島県  /   掲載日:2023-08-20

戸建  /   エリア:福島県

掲載日:2023-08-20

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renovation image

間取り表記をカフェとしたのは珈琲を愉しむ空間を目指したから…
それは味や香りはもちろん淹れる過程から五感で感じること
そこは空を眺め、抜ける風や光を感じ余計な情報のないミニマムな空間
まずは和室2室を繋げた中央にテーブル、背面の既存柱を用い器具台を設け空間の核とする。
廊下の柱も造作ソファに用い階段勾配の調整で設けたベンチ縁側と連続させ窓辺に居場所を‥
ラフに腰掛けると程よい距離感が保てる窓辺は、構造補強も含め景色を連続的に切り取る格子を設置。
断熱施工の為内側に付加した壁とラインを揃え合理的に…四角の光と影が時間と共に変化し豊かな表情を魅せる。
小屋組みも空間の一部としたのは非日常的な居場所を求めたのと天窓設置のため。城好きの御子息に触発されロフトは天守閣をイメージし、天窓下部は硝子の床を施す。バックヤードから回遊動線上の洗面・WC前が明るいのはそのためだ。
室内窓を適宜配置し、壁・天井には吸放湿・消臭効果の高い天然素材の左官塗材を‥お陰で古家特有の臭いは皆無、四季を通し清々しい室内環境を維持できる。
大きい家は管理が大変で実家相続問題になりがちだが、多世代で暮らせばその大きさが生き、付加価値を加えれば未来の多様なライフワークにも寄り添える。
物価高の昨今、物を大切にする心で実家リノベに向き合う人が増えれば…地方が活気づき社会もうまく回るような気さえしている。

BEFORE


before image

棟梁の自邸「匠の家」は入母屋造りに化粧垂木が特徴の純和風住宅。7年前に痛んでいた水廻りの改修を済ませるも、現在は家主一人住まいに…流石に大きすぎいつしか物置化していた2階。地方にある大きな実家にありがちな問題だ。大量の荷物は誰が片付けるのか?もし空き家になり解体することになったら?なかなか一筋縄ではいかない。
しかし今回、実家の可能性を信じた家主の子世帯がUターンしリノベすることを決意。決め手は近年の物価高やウッドショックの影響から当時の天然乾燥材で組まれた軸組がもったいないという私見。また実家片付けもいずれ誰かが向き合う問題だと…
設計前には耐震診断とインスペクションを行い問題点を洗い出す。ポイントは既存真壁の断熱改修と南面大開口の構造補強。更にすでに施工済の断熱サッシをどう生かすか?要望は外観意匠を保持し、将来カフェとしての利用も視野に入れた『珈琲を愉しめる空間』にすることだった。

Before

After

    • 部門
    • 1500万円未満
    • 間取り
    • カフェ
    • 費用
    • 1485万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 水まわり / 居室・その他 / 耐震補強 / 断熱改修
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)
  • コーヒー専用機器、椅子、可動式照明

物件情報


    • 築年月
    • 1978年4月
    • 構造
    • 木造
    • リノベーション面積
    • 69.56
    • 施工期間
    • 6ケ月
    • 備考
    • 施工範囲:2階部分

CREDIT


  • 設計:齊藤工匠 伍代目 斉藤 守平
  • 施工:有限会社 斉藤工匠店